快適な空間追求 小田急ロマンスカー「EXEα」公開

 小田急電鉄は15日、東京都多摩市の唐木田車両基地で、リニューアルした特急ロマンスカー「EXEα」(30000形、定員578人)1編成を報道関係者に公開した。1996年の就役から20年が経過。設備更新とともに、訪日外国人客(インバウンド)の増加や高齢化の進展といった社会環境の変化に対応し、より快適な車内空間を追求した。来年3月に営業運転を開始する予定。

 リニューアル作業は今年3月に開始。外観はシルバーを基調に、同社を象徴するバーミリオンオレンジのラインがアクセントになっている。車内は、木目調の内装を採用して落ち着きのある雰囲気を演出。インバウンドをはじめとした荷物の大型化に対応するため、収納スペースを充実させたほか、バリアフリー対応のトイレや、授乳時などの利用を想定する多目的室も新設した。

 主電動機を密閉したり、空調設備に低騒音タイプを採用したりするなど、快適性の向上にも注力。防犯カメラも設置し、乗務員室でリアルタイムに車内状況を確認できるようにして安全・安心の向上も図る。

 同社は、今回リニューアルした1編成以外の30000形車両も順次、刷新を進める方針。2018年3月にはロマンスカーの新型車両「70000形」の導入も予定しており、同社は「EXEαには、主に通勤特急の役割を期待している。乗り心地、座り心地など快適性の向上には自信を持っている」としている。

 

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