横浜市立黒須田小学校(同市青葉区、永野美雄校長)に19日、昨年のリオデジャネイロ・パラリンピックで銅メダルを獲得した車いすラグビー日本代表で、チーム「横濱義塾」に所属する山口貴久さん(35)、若山英史さん(32)が来校した。5年生108人に自分の経験や競技について語った。
同校の元職員の家族が日本代表のメカニック(車いすのメンテナンス役)を担当する縁で、2014年度から選手を招いており、今回で3回目。
山口さんは19歳で交通事故に遭い、首を骨折。10カ月の入院中は食べ物を受け付けず、点滴だけで生活したことや、「できないからと諦めていたら先に進まない。だからスポーツを始めた」と振り返った。
若山さんは、プールでの事故で頸椎(けいつい)を損傷した。歩けないことに絶望したが、楽しそうにプレーする選手を見て、「体はこうなったけど、世界を目指したい」とラグビーを始めたことを話した。
子どもたちは「生活で一番大変なことは何ですか」「ボールはどうやって持ちますか」など次々に質問し、2選手はユーモアを交えて答えた。
最後に、山口さんが「これからいろいろな壁にぶつかると思う。でも、できないと思わずにいろいろなことに挑戦してほしい」とエールを送った。
子どもたちは模擬試合を観戦したほか、競技用車いすに試乗し、銅メダルも間近で見た。野田一樹さん(10)は、「何でもチャレンジして、すごいことをしてみたい。将来は考古学者になりたいので、もっと頑張ろうと思った」と目を輝かせていた。