韓ポスコ、16年12月連結決算は営業増益2800億円 最終損益、黒字転換

韓国ポスコの16年12月連結決算は売上高53兆835億ウォン(約5兆1800億円)で前年比8・8%減、営業利益2兆8443億ウォン(約2800億円)で同18・0%増となった。最終損益は、前年は上場初となる赤字962億ウォン(約9億円)を計上したが、16年は黒字転換し、純利益は1兆482億ウォン(約1千億円)。

国内外の市況低迷および構造調整に伴うグループ企業数の減少などで減収となったが、海外鉄鋼部門の業績が大幅に改善されたため、増益となった。

海外鉄鋼法人の合算営業利益は、15年が4229億ウォン(約410億円)の赤字だったが、高付加価値品の販売増・コスト削減などで16年は2182億ウォン(約210億円)の黒字。

単独業績は売上高24兆3249億ウォン(2兆3700億円)で前年比5・0%減、営業利益2兆6353億ウォン(約2600億円)で同17・7%増、純利益1兆7850億ウォン(約1700億円)で同35・4%増。粗鋼生産量は3749万6千トンで同1・2%減、製品販売量は3587万5千トンで同1・5%増だった。

ポスコ固有の高付加価値製品である「ワールドプレミアム(WP)製品の販売拡大・コスト削減などが寄与した。営業利益率は10・8%で、11年以来5年ぶりに10%を超える利益率となった。

今期投資3400億円に増額、鉄鋼事業の競争力強化

今年の売上高目標は連結で54兆8千億ウォン(約5兆3500億円)、単独で25兆6千億ウォン(2兆5千億円)。投資額は大幅に増やす計画で、「世界の鉄鋼供給過剰、需要産業不振など、より困難になった市場環境の中でも未来の競争力を確保するため」として、投資額を連結で1兆ウォン増の3兆5千億ウォン(3400億円)、単独で6千億ウォン増の2兆6千億ウォン(約2500億円)とした。

純借入金規模は連結で1兆7千億ウォン、単独で1兆3千億ウォン減らす。WP製品の販売比率を52%にまで引き上げるなど、「鉄鋼本願競争力」(コアとなる鉄鋼事業の競争力)の向上に「一層拍車を掛ける」としている。

権会長、再任へ

韓国ポスコは25日、同日開催のCEO候補推薦委員会および理事会で権五俊会長(66)の再任を内定した、と発表した。同委員会は社外取締役6人で構成するもので、昨年12月に権会長が再任の意思を表明したことに伴い、これまで検討を進めていた。計7回の会合で協議した結果、構造調整の進展や鉄鋼事業の競争力強化などの経営実績が評価されたほか、権氏が会長に選ばれる際に便宜を図られたなどとする、朴槿恵大統領の親友とされる崔順実容疑者が絡んだ現地マスコミ報道についても、同委員会は「根拠がない」などと退け、再任を決めた。

権氏は2014年3月、ポスコ会長に就任。再任で2期目を迎えることになる。任期は3年で、今年3月10日開催予定の株主総会などを経て正式に再任が決まる。

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