【きらりと光るわが社の〝得意技〟】〈安田精工〉エクステリア素材・アルミ製「TAKE」、高耐久・耐候性が強み

天然竹以上の耐久性と耐候性を持つアルミ製「TAKE」。犬朱来(手前)と垣根(後方)

安田精工(本社・東大阪市、社長・安田寛明氏)は1969年設立の金属額縁専門メーカー。アルミ押出メーカー・安田金属工業およびアルミ建築材料の商社・安田(共に本社・大阪市)のグループ企業。安田寛明社長は安田金属工業で約2年勤務した後、安田精工を興した。兵庫県芦屋市のラポルテ東館に額縁専門店「芦屋堂」を持つ。従業員は「芦屋堂」の3人を含め合計12人。年商は1億5千万円。

同社はこれまでアルミ製の金属額縁メーカーとして一筋に歩んできた。ただ、絵画業界は阪神大震災(95年)、消費増税(2014年)という2度の大波をかぶり、足元の需要環境も厳しい。アルミ製金属額縁の今後の需要増は期待薄だという。年商はピーク時に8億5千万円を計上したが、激減している。安田社長は「15年から新製品開発に着手し、エクステリア素材のアルミ製『TAKE』は、このほど完成した。既存製品で金属に樹脂コーティングし竹を模したものはあるが、アルミ素材のみという点ではアルミ製『TAKE』が業界初の製品といえる。耐久性と耐候性が天然竹以上という利点をPRし、拡販を図りたい。室外機カバー・垣根・縦格子・面格子などの素材として、あるいは犬矢来などは完成品の形で今後、販売していく」と話す。

アルミ製「TAKE」は幅24・3ミリ×高さ4・5ミリ。長さは2メートル(6節)、1・5メートル(4節)、1メートル(3節)、50センチ(1節)の4種。カラーは黒、茶、古代色と、特別色ゴールドの合計4色がある。2メートル品の竹サオ価格はゴールドが840円、黒・古代色・茶が700円。コスト抑制のため市販のステンレスネジの使用や、角材の金具レス化などを工夫した。

垣根・縦格子・面格子などの素材として工務店などへ売り込むが、犬矢来などは製品で販売していく方針。

「アルミ製TAKEは別寸法品や、節加工・穴開け加工などもお受けする。6月開催の関西エクステリアフェア2017へ出展し、PRする予定。TAKE以外では、数年前から手掛けている人形帆船用『ワイ・エスメタルケース』が好調。同製品は額縁2枚をつないだオーダー品だが、得意のアルミ材の加工技術を生かしている。これからも地道に、喜ばれる製品づくりに励みたい」(安田社長)。(白木 毅俊)

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