妻殺害の男に懲役5年求刑 横浜地裁

 自宅で妻の首を絞め殺害したとして、殺人の罪に問われた被告(81)=横浜市栄区=の裁判員裁判の公判が26日、横浜地裁(深沢茂之裁判長)であり、検察側は認知症による心神耗弱状態だったとして殺人罪の法定刑の最下限に当たる懲役5年を求刑した。弁護側は執行猶予判決を求めて、結審した。判決は30日。

 検察側は論告で「強い殺意に基づく残虐な犯行で、家事をしないなど妻への長年の不満を爆発させた動機に酌量の余地はない」と指摘した一方、「心神耗弱の状態や自首したことを十分考慮すべき」と述べた。

 弁護側は認知症で思いとどまる能力が著しく低下していたとした上で、「執行猶予が相当」とした。

 起訴状などによると、被告は2016年6月10日深夜、自宅で就寝中だった妻のもと子さん=当時(79)=の首をビニールひもで絞めて殺害した、とされる

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