新日鉄住金の通期見通し、経常益1300億円維持

新日鉄住金が発表した通期業績見通しは、売上高が4兆5500億円、経常利益1300億円(前期比35・3%減)、純利益800億円。経常利益は前回見通しを据え置き、純利益は持ち分法適用会社の損益好転で200億円上方修正した。期末配当は25円とする。

大分製鉄所の厚板工場火災影響が、経常損益段階で100億円のマイナスとなるが、在庫評価差や円安進行による為替影響、グループ会社の損益好転などのプラス要因もあり、鉄鋼事業の通期経常益見通しは前回と変わらず。

セグメント別の通期経常利益見通しは、製鉄1千億円、エンジニアリング50億円、化学40億円、新素材15億円、システムソリューション210億円。

通期粗鋼は単独4280万トン、連結4530万トンと増産見通し。鋼材平均価格は7万3千円程度(前年比で4100円の下落)、輸出比率42%の見通し。

同時に発表した4~12月期連結決算は、売上高3兆3320億円で前年同期比10・3%減、経常利益1085億円で41・3%減、純利益594億円で61・2%減だった。

大分製鉄所の厚板工場火災「300億円の減益要因」

新日鉄住金・榮敏治副社長

▼榮敏治副社長談=「大分の厚板工場火災による減益は、今期に経常損益段階で100億円。加えて修繕費・撤去費などで特損100億円と計200億円の悪化要因。続く17年度においても経常損益で100億円の悪化影響を見込んでおり、トータル300億円とみている。また下期の実力経常益は、会計上の利益1050億円を起点に、在庫評価など一過性要因350億円を差し引くと700億円で年率1400億円。下期は上期よりも実力損益が落ちる」

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