本命・武田、対抗・野村か…WBC出場辞退決定、日本ハム・大谷の代役は?

侍ジャパン日本代表は3日、日本ハムの大谷翔平投手をWBC登録メンバー28人から外すことを決めた。2大会ぶりの世界一を目指す侍ジャパンにとって、投打で圧倒的なパフォーマンスを見せる22歳の戦線離脱は痛いところだが、大谷の代役となる先発投手は誰になるのか。

ソフトバンク・武田翔太【写真:荒川祐史】

有力候補は小久保ジャパン常連の武田翔太か

 侍ジャパン日本代表は3日、日本ハムの大谷翔平投手をWBC登録メンバー28人から外すことを決めた。

 本来なら3月7日のキューバとの1次ラウンド・開幕戦(東京ドーム)での先発登板が期待されていたエースの離脱。昨季の日本シリーズ中に痛めた右足首の状態が上がらず、1日に日本ハム側が「投手・大谷」の辞退を発表していたが、侍ジャパン・小久保裕紀監督は患部の状態、今後の故障のリスクを考慮して「打者・大谷」としても招集しない決断を下した。

 2大会ぶりの世界一を目指す侍ジャパンにとって、投打で圧倒的なパフォーマンスを見せる22歳の戦線離脱は痛いところだが、大谷の代役となる先発投手は誰になるのか。

 まず有力候補として挙がるのが、ソフトバンクの武田翔太投手だ。

 昨季は14勝8敗、防御率2.95をマーク。11月の侍ジャパン強化試合では10日のメキシコ戦(東京ドーム)で先発した。初回無死満塁のピンチを招いたが、3者連続三振。2、3回は3者凡退。1点リードの4回、四球と失策で迎えた1死一、三塁から同点打を浴びたが、4回3安打1失点。2四球で6三振を奪うなど、まずまずの投球を見せた。小久保ジャパンでも常連で、縦に大きく割れるカーブは世界を相手にしても大きな武器となりそうだ。

対抗馬は広島の最多勝右腕、メンバーに少ない左腕招集の可能性も?

 対抗馬は広島の野村祐輔投手か。

 昨季は16勝3敗、防御率2.71、勝率.842で最多勝、最高勝率のセ・リーグ投手2冠に輝いた。11月の侍ジャパン強化試合では11日のメキシコ戦で先発。2回先頭のアマダー(現・楽天)、4回無死のペーニャ(現・広島)、ベルドゥーゴとソロ3発で3失点したのは心配だが、4回5安打3失点1奪三振に抑えた。細かい制球力を武器とするだけに、滑りやすいWBC公式球への対応が必要になる。

 現在の代表メンバーで先発として期待されるのは楽天・則本昂大、巨人・菅野智之、ロッテ・石川歩ら右腕が並ぶが、投手全体でもサウスポーは中日・岡田俊哉、楽天・松井裕樹と少ない。11月の強化試合メンバーでは巨人・田口麗斗、DeNA・石田健大も候補に挙がりそうだが、田口は2番手として登板した13日のオランダ戦で2回4安打4失点。同日に先発した石田は3回で4三振を奪ったものの、5安打4失点と課題を残した。

 昨季限りで現役引退した広島・黒田博樹投手も入っているロースターまで選考枠を広げれば、小久保ジャパンでは常連だったオリックス・西勇輝、中日・大野雄大。その他にもヤクルト・小川泰弘、楽天・岸孝之、オリックス・金子千尋ら球界を代表とする実力者もいる。

 日本代表の最終メンバーの締め切り日は6日。代表入りした各投手はWBC球への対応など、急ピッチで調整を進めているだけに、小久保監督の代役捜しは早急に行われることとなりそうだ。大谷に代わる“ラスト・サムライ”は、誰になるのか注目したい。

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