広島の仁義なき戦い…新外国人ペーニャ加入で激化必至の2つの争いとは

広島が第6の外国人としてラミロ・ペーニャ内野手の獲得を発表した。これにより2つの激しい争いが加熱することになる。

広島が獲得を発表したラミロ・ペーニャ【写真:Getty Images】

昨年11月メキシコ代表として来日、新同僚・野村から本塁打を放つ

 広島が第6の外国人としてラミロ・ペーニャ内野手の獲得を発表した。これにより2つの激しい争いが加熱することになる。

 最初にペーニャとはどんな選手か。2009年にヤンキースでメジャーデビューした31歳のスイッチヒッター。昨季はジャイアンツで30試合に出場し、打率.299、1本塁打、10打点を記録。メジャー通算では、7年で341試合に出場し、打率.252、9本塁打、63打点という成績を残した。昨年11月にはメキシコ代表として来日し、日本との強化試合に「2番・遊撃」で出場。第2戦では、チームメートとなる野村祐輔から右翼席へ本塁打を放った。実績から見ると本塁打よりも打率を残すタイプのようだが、ここぞのパンチ力も兼ね備えていると言えそうだ。

 守備は三塁、遊撃、二塁と内野ならどこでもこなせるユーティリティープレーヤーで、わずかながら外野を守った経験もある。メジャー、マイナー通算で55盗塁と脚力もまずまず。メキシコ出身で複数の内野ポジションをこなせるというなら、現在は巨人でプレーするクルーズのようなタイプだろうか。

 そんなペーニャの加入により広島で加熱する1つ目の争いは、外国人枠だ。現在、広島の外国人は野手2人(エルドレッド、ペーニャ)、投手4人(ジョンソン、ジャクソン、ヘーゲンズ、ブレイシア)となっている。

4枠を争う6人の外国人、そして三塁の正位置争い…

 今季6年目のエルドレッドは昨季もチームで2番目に多い21本塁打を放つなど、36歳ながらまだまだ衰えず。チームに貴重な長距離砲として欠かせない。昨季沢村賞を受賞したジョンソンは2年連続で圧倒的な数字を残しており、絶対的な存在となった。ジャクソンは昨季チーム最多の67試合に登板したセットアッパー。ヘーゲンズも先発、中継ぎと大車輪の活躍で7勝をマークした。新加入のブレイシアも昨季は3Aで実績を残しており、昨季のジャクソンのような結果が期待される。

 先発ローテの要となるジョンソンは当確として、残り3枠を5人で争う構図になるか。いずれにせよ、非常にレベルの高い争いになりそうだ。

 もう1つの争いは、三塁のレギュラー取りだ。

 仮にペーニャが外国人枠をクリアした場合は、三塁での起用が濃厚。それに対抗する日本人選手の最有力候補は27歳の安部友裕だろう。昨季自己最多の115試合に出場し、打率.282、6本塁打、33打点の成績を残した。今年こそは定位置、の思いも強いはずだ。

 三塁には、ルーキーイヤーの昨季、たぐいまれな打撃センスを見せた西川龍馬や、選手会長を務める小窪哲也もいる。彼らも黙ってはいないはずだ。

 ペーニャの加入によって激化必至の2つの争い。チーム内での競争が活性化することは、2年連続リーグ優勝、そして33年ぶりの日本一を目指す広島にとって、またとない刺激になるだろう。誰が外国人枠を手に入れ、誰が正三塁手になるのか。キャンプで繰り広げられる争いに注目だ。

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