ホークスキャンプ第1クール終了 工藤監督「ケガ人なくて良かった」

5日、ソフトバンクの春季キャンプ第1クールが終了。いきなりの“5勤”スタートとなったが、日曜日に雨に見舞われながらも5日間で6万8000人のファンが駆けつけるなど、相変わらずの人気ぶりを見せた。

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

5日間で「けが人なくて良かった」、ブルペン皆勤の大隣には「前提があっての5連投」

 5日、ソフトバンクの春季キャンプ第1クールが終了。いきなりの“5勤”スタートとなったが、日曜日に雨に見舞われながらも5日間で6万8000人のファンが駆けつけるなど、相変わらずの人気ぶりを見せた。

 5日間続いた第1クールも、最終日の日曜日は雨にたたられて短縮メニュー。工藤公康監督は、日課となりつつあるファンへのベースボールカード配布を終えたあと、ケガ人もなく終わった第1クールを振り返り「良かったね。まあ、この時期ならケガしても治す時間はあるけど、出ない方がいいからね」とホッとした表情を見せた。

「最初のクールなので、選手がどれだけ自主トレをやってきたのか、体がどこまでできているのかを見ていたが、みんなある程度やってきているなという印象は受けた」

 初日からA組投手陣が全員ブルペン入り。B組でマイペース調整を許された攝津正、松坂大輔、五十嵐亮太らも積極的にブルペンで投げ込んだ。中でも大隣憲司は初日から皆勤賞の5連投となった。

「投げるか投げないかは本人の意志。自分で何かを考え、トライしようとするのは悪いことではないし、大隣くんも自主トレでそれなりに投げてきたという前提があっての5連投だと思う」

注目された新戦力に手応え、田中を称賛しつつもコンディション気遣う

 第1クールで最も注目を集めたのは、もちろんドラフト1位ルーキーの田中正義だ。行く先々で報道陣が群がる中、初日から1日おきにブルペン入り。工藤監督も注目はしつつ、田中のコンディションを気遣う。

「すばらしいストレートを投げていたと思う。ただ既往歴(過去の故障)として肩というのがあるので、こちらも配慮はするが、一番は本人が気をつけてやることが大事。ちょっとでもおかしいところがあれば、すぐにトレーナーなりコーチに言ってほしい。休むことは決して悪いことではないし、時には少し休んだ方が次につながることもあるので、そこだけは気をつけてほしい」

 打の新戦力・ジェンセンも、第1クールでベールを脱いだ。工藤監督は「打つ方は打撃コーチに任せている」と言いながらも、コーチ陣の高評価に期待を膨らませているようだ。

「上体がぶれないと聞いている。前にもいかないし、後ろに残りすぎることもなく、その場でクルッと回る感じ。(打撃コーチは)阪神にいたマートンの、重心が低くなっていない版と言っていた。長距離砲と聞いていたけど、意外とミート力があって率も残せる感じかな」

 7日から始まる第2クール以降、徐々に実戦モードへと切り替わっていく春季キャンプ。その中で、選手たちの必死のアピールは続いていく。

藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura

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