UACJ、米で自動車用アルミ構造材能力増強 30億円を投じ、工場・設備など新設

UACJ(社長・岡田満氏)は米国で自動車用アルミ構造材の生産能力を強化する。米国子会社「UACJ・オートモーティブ・ホワイトホール・インダストリーズ」(UWH)に約30億円を投じて押出機や加工設備を導入し、自動車部材の供給力を引き上げる。北米で拡大する自動車軽量化ニーズを取り込み、現地大手自動車メーカーへの拡販を推進する。

自動車用アルミ構造材を製造するUWHの工場

UACJはUWHの増強に30億円を投じる。本社工場(ミシガン州ラディントン市)を増築するほか、隣接地約11万3千平方メートルを取得して新工場を建設する。新工場には押出機1基や各種加工機を導入。米テスラモーターの「モデル3」向け部材などを中心に供給していく。一部設備は17年末から稼働を始めるほか、その後も段階的に設備能力を高めていく計画。

米国ではCAFE規制による自動車燃費基準の高まりによって、アルミ部材を活用した自動車の軽量化ニーズが拡大。足元ではパネル材だけでなく、ボディフレームなど構造部材についても年率25%程度の成長が期待されている。UACJは北米自動車構造材市場でUWHを主軸として需要を取り込んでいるほか、グループの押出メーカー「UACJ押出加工」やアルミ加工品メーカー「UACJ金属加工」などとのシナジーも追及。20年までに売上高1億8千万ドルまで伸ばしたい考えを示している。

UWHは、UACJが16年に買収した自動車用アルミ構造材の製造販売拠点。米国に3工場(ミシガン州2拠点、ケンタッキー州1拠点)とメキシコに1工場(グアナフアト州)の合計4拠点で自動車のボディフレームやサンルーフガイドなどを製造。GMやテスラなどに部材を供給するなど、北米最大級の自動車用アルミ材サプライヤー。

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