大谷翔平のWBC欠場で米メディアに意外な反応も 「恋しさを一層募らせる」

日本ハムの大谷翔平投手が、右足首の故障のため第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の出場を断念した。武田翔太投手(ソフトバンク)を加えた野球日本代表「侍ジャパン」の28人に世界一奪還への期待がかかるが、一方で大谷欠場に失望する海外のメディアやファンも多い。米スポーツ専門局「CBSスポーツ」では「残念ながら、WBCでオオタニをじっくり見られると思っていたアメリカのファンには、また悲報となった」と伝えていた。

日本ハム・大谷翔平【写真:Getty Images】

大会直前での欠場決定も…「期待は高まるばかり」

 日本ハムの大谷翔平投手が、右足首の故障のため第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の出場を断念した。武田翔太投手(ソフトバンク)を加えた野球日本代表「侍ジャパン」の28人に世界一奪還への期待がかかるが、一方で大谷欠場に失望する海外のメディアやファンも多い。米スポーツ専門局「CBSスポーツ」では「残念ながら、WBCでオオタニをじっくり見られると思っていたアメリカのファンには、また悲報となった」と伝えていた。

 そんな中、今回のニュースを受けて「オオタニへの期待は高まるばかり」と伝えたのが、米メディア「スポーツ・オン・アース」だ。今オフにもポスティングシステム(入札制度)でメジャー移籍する可能性がある二刀流について「この欠場は、彼への恋しさを一層募らせる」としている。

「我々はついに世界で最も期待を集める野球選手が、メジャーリーグの球場でまばゆい光を浴びるものだと思っていた。海の向こうから伝わってくる信じられないストーリーの数々、ついにショウヘイ・オオタニが大舞台で躍動することを夢見ていた」

 記事でこう伝えているように、日本球界で常識を覆す活躍を続けてきた大谷が、WBCでベールを脱ぐ時が来ることを米国のファンは待ち望んでいた。“生大谷”が、準決勝・決勝の舞台となるロサンゼルスのドジャースタジアムで躍動する――。そんなイメージを持っていたはずだが、実現しなかった。

 ただ、このことが二刀流右腕の“価値”をさらに高めることになるというのだ。同サイトは、大谷が2014年の日米野球でMLBの打者から三振を奪った動画を紹介し、昨季、投打両方で好成績を残したことを回顧。そして、比較対象として「野球の神様」の名前をあらためて登場させている。

大谷が来季MLB挑戦なら「純粋な二刀流選手がファンを熱狂させてから100年後のシーズン」

「大谷はMLBにおいて、レッドソックス在籍時のベーブ・ルース以来となる二刀流選手になるのだろうか? ルースは1914年から1919年にかけて、防御率2.19、WHIP(1イニングあたりの四球+安打)1.14を158登板(143先発)で記録した。3度のワールドシリーズ登板では、3勝、防御率0.87であった。

 打者としても1918年には打率.300、出塁率.411、長打率.555を記録し、MLB最多の11本塁打を記録。翌年は打率.322、出塁率.456、長打率.657で、当時のMLB最多記録となる29本塁打を放った」

 ベーブ・ルースは、まさに二刀流の“祖先”と言える存在。大谷がプロ2年目の2014年に「2桁勝利(11勝)&2桁本塁打(10本塁打)」を記録した際には、ベーブ・ルースが1918年にマークして以来96年ぶりと騒がれたが、昨年は「10勝&22本塁打」という史上初の偉業も達成。記事では「もし、オオタニが予想される2018年にMLBデビューを飾るとなると、純粋な二刀流選手がファンを熱狂させてから100年後のシーズンとなる」と“不思議な縁”にも注目している。

 当初は懐疑的な見方も多かったが、NPBであまりにも衝撃的な活躍を続けてきたことで、メジャーでも大谷の二刀流を見たいと訴える声が少しずつ増えてきた。「現時点では、我々はオオタニがどんな結果を残すのか待たなければならない。考えられる限り、ある夜は登板して完封、次の日には特大のホームランを放つ選手となるかもしれない」。こんな光景を米メディアも想像し始めているようだ。

 同サイトは最後に、あるMLB球団のGMがMLB公式サイトの取材に対して、米国でも大谷が二刀流としてプレーすることを「希望する」と昨年11月に話していたことを振り返りつつ、「我々もそれを希望している。WBC出場が叶わずオオタニの神秘的な魅力が高まっている今は尚更だ」と締めくくっている。

 今回のWBC欠場を“超ポジティブ”に捉えている現地の人たちが大谷を生で見られる日は、実際にはいつ来るのか。まずは一日も早い怪我の回復を期待したい。

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