有料化検討受け公民館の役割考える 相模原市民ら学習会開く

 相模原市が公民館の有料化を検討していることを受けて、市民による学習会が5日、市立産業会館(同市中央区)で開かれ、約110人が参加した。「さがみはらの宝、みんなの公民館を守る会」の主催。

 同市内の公民館は現在無料で利用できる。だが、市教育委員会などは、行政サービスを受ける人が経費の一部を負担する「受益者負担」の観点から、利用者から施設利用料など一定の負担を求めることを検討している。

 学習会では「公民館有料化問題の性格と課題」と題して東京都立大学・首都大学東京名誉教授の大串隆吉さんが講演。東京都国立市の公民館運営審議会委員や座間市社会教育委員も担う経験から、社会教育施設が無料の根拠を解説した。

 行政の受益者負担という考え方については、「むしろ受益者負担をなくすことが公共施設だろう。すべての人が共有できるのが公共施設の役割だ」と指摘。また、公民館で学ぶ音楽でも絵画でも、人々に喜びを与える効果が社会的な還元だという考えを強調した。

 出席者からは、「立場の弱い人を補助してくれるのが公民館の良さだし、心の支え。市役所は会社と違って効率化を求めてはいけない」「特定の人が何回も使うから受益者負担だというが、公民館はコミュニティー形成が目的のはずだ」という声が出た。

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