正遊撃手のポジション獲りへ…2年目のロッテ平沢大河が挑む「チャンス」

ロッテの石垣島キャンプで「走攻守すべてで直さなければいけない部分がある」と言いながら、力の目をこもった目を輝かせるのが、2年目の春に臨む平沢大河内野手だ。「戸惑いしかなかった」という昨年とは違い、今年は明確な目標が見えている。遊撃のレギュラー獲りだ。

ロッテ・平沢大河【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

鈴木大地の二塁転向で期待される平沢の台頭

 ロッテの石垣島キャンプで「走攻守すべてで直さなければいけない部分がある」と言いながら、力の目をこもった目を輝かせるのが、2年目の春に臨む平沢大河内野手だ。「戸惑いしかなかった」という昨年とは違い、今年は明確な目標が見えている。遊撃のレギュラー獲りだ。

「(鈴木)大地さんがセカンドに行くのは明言されているので、ショートはチャンス。チャンスということを頭に入れて、練習でもその意味の感じ方や意識の持ち方が変わりました。やらなきゃいけないって感じています」

 昨年は1軍で23試合に出場、打率.149とプロの厳しさを味わった。走攻守すべての面で実力不足を実感。秋季キャンプ、台湾でのウインターリーグを経て、自身のレベルアップを目指す中、舞い込んで来たのが鈴木コンバートのニュースだった。平沢にとって遊撃は本職。「気持ちはやっぱり変わりましたね。本当にチャンスだと思う。1枠をいろんな人が争って、僕ら若い選手で内野の底上げができればいいと思います」。漠然と開幕1軍を目指すのではなく、1軍正遊撃手という具体的な目標ができた意味は大きい。

実戦を想定して受けるノック、「勝負をかけられるかどうかは練習の差」

 打撃では、11日に行われた台湾・ラミゴとの交流試合で、5回に右越えソロ弾、8回には右中間を破る三塁打を放ち、早速実戦で結果を残した。守備では実戦を想定して、ノックを受ける時に右手を使わず、グラブをはめた左手だけでハンドリングの練習をすることを欠かさない。

「パ・リーグは足が速い選手が多いので、(打球の)正面に入らないで逆シングルで取って投げる場面も増える。一か八かっていうプレーもあると思うんで、そこでアウトにできるかどうかは、すごく大きいと思いますし、投手の成績にも関わるところなんで頑張りたいと思います。紙一重の場面で勝負をかけられるかどうかは練習の差。そこの意識を持って練習しています」

 中村奨吾らと争う正遊撃手のポジション。開幕を迎える時、そこに平沢の名前があるのか否か。1年の経験を踏まえ、高いプロ意識を持って臨む2年目、平沢はチャンスに挑む勝負の春を過ごしている。

佐藤直子●文 text by Naoko Sato

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