新日鉄住金、2月契約の店売り向けH形鋼販価据え置き

新日鉄住金は14日、2月契約(3月ロール)分の店売り向けH形鋼の販売価格を前月比から据え置くと発表した。据え置き方針は5カ月ぶり。「(4カ月続けた)これまでの値上げ分の浸透を見たい」(建材営業部)と説明し「依然として製造コスト上昇分に(上げ幅が)見合っておらず、環境が整えば次月以降に追加値上げしたい」と、売り腰の強さは堅持する構えだ。

同社は主原料コストの高騰を受けて、昨年10月の実質値上げを含めて今年1月まで4カ月連続で値上げを表明。足元では原料炭のスポット価格が調整局面にあるが、鉄鉱石のスポット価格や副原料価格が値上がりするなど、高炉として厳しい状況が継続することを懸念しており、慎重な引き受け姿勢を続けているという。

また昨年10~12月の入着が増えた輸入材の動向にも言及。「いまだ国内での比率は低いが、単価が国内市況ほど変わっていない」(同)と指摘し、輸入量と価格の双方を注視していく。

市場環境を見ると、建設需要の動向はおおむね例年通りで、秋口に比べると季節なりの減少にとどまる。国土交通省の建築着工統計から推計した全建築の換算鉄骨量は、2016年4~12月累計で390万トン。10年以降では、消費増税前の駆け込み需要があった13年同期に次ぐ高い水準を維持している。

市中の荷動きに直結する2千平方メートル未満の小規模鉄骨造の着工も、同4~12月累計で154万トンと、同じく10年以降で2番目に多い。

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