全日制平均競争率1.21倍 県内公立高校入試始まる

 県内公立高校の入試「入学者共通選抜」が15日、158校で始まった。県教育委員会によると、学力検査を行った全日制148校に5万1110人が受験した。平均競争率は昨年と同じ1・21倍。競争率が最も高かった学校(学科ごと)は川崎市立橘高校国際科の1・87倍。昨年、競争率トップだった県立横浜翠嵐高校普通科は1・82倍で2番手になった。17日まで面接や特色検査が行われる。

 定時制は28校に1926人(平均競争率0・71倍)、通信制は2校に263人(0・22倍)が受けた。いずれも合格発表は28日。

 横浜市西区の県立横浜平沼高校では、365人が受験した。試験会場の教室に入った生徒らは、緊張した表情で午前9時20分の開始を待った。5分前になると担当の教員らが「解答用紙の注意事項をよく読み、受験番号と名前を記入してください」と説明。問題用紙と解答用紙を配った。

 最初の科目は英語のリスニング。男女の生徒の英会話が流され、生徒らは静かに聞き入って問題に向かっていった。◆定刻前終了などトラブル相次ぐ 事故で開始繰り下げも 県内各地で15日に行われた公立高校入試の学力検査で、終了時間を誤って短くするなど、トラブルが相次いだ。

 県立上矢部高校(横浜市戸塚区)では、数学の検査会場の一つで、終了時刻を誤って2分ほど早めるミスがあった。

 県教育委員会によると、検査開始と終了はチャイムを合図にしているが、監督員を務めた教師が教室にある時計を見て、終了を誤ってアナウンス。この時計が2分ほど進んでいたため定刻前に検査を終えたという。同校は、この会場で検査を受けた39人が不利にならない合否決定方法を検討するという。

 川崎市立川崎総合科学高校(同市幸区)では、英語のリスニングテストの一部が聞き取れなくなるトラブルがあった。

 川崎市教育委員会によると、同校では全日制271人、定時制35人が受験。リスニングテストの3問目の音声の一部がうまく流れなかった。全会場で同じ状況だったため、3問目は全員を正答として扱うという。

 県立綾瀬西高校(綾瀬市)では、車の事故で周辺道路が渋滞し、バスに乗っていた受験生4人が開始時刻に間に合わなくなった。このため、全体の検査開始を20分繰り下げた。

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