《ブラジル》ラヴァ・ジャット作戦系新作戦でベロ・モンテ発電所の疑惑摘発=標的はロボンの息子ら=PTとPMDBで賄賂山分け?=どうなる上院CCJ

エジソン・ロボン氏(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

 16日午前、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)の捜査で得た情報に基づく連邦警察の「レヴィアタン作戦」が行われた。今回の作戦は、パラー州にあるベロ・モンテ水力発電所の建設を巡る不正摘発が目的で、元鉱山動力相のエジソン・ロボン上議(民主運動党・PMDB)の息子のマルシオ氏(PMDB)らに関し、家宅捜索や物品押収が行われた。ロボン氏は今月、上院憲政委員会(CCJ)の委員長になったばかりだった。16日付G1サイトなどが報じている。

 ベロ・モンテ発電所の建設に関する疑惑はJLの捜査中に浮上したものだ。連邦最高裁のLJ報告官だった故テオリ・ザヴァスキ判事は、電力事業での不正を(ペトロブラス関連のペトロロン中心の)LJとは切り離してエレトロロンと呼んでおり、同氏生存中から、現LJ報告官のエジソン・ファキン判事に担当が振り分けられていた。
 今回、家宅捜索の対象となったのは、リオ州、パラー州ベレン、ブラジリアなどとなっている。
 ベロ・モンテの疑惑に関する情報は、2016年にアンドラーデ・グチエレス社関係のLJ被告が行った報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)で語られていた。
 その供述によると、建設費の1%にあたる計1億5千万レアルが、PMDBと労働者党(PT)に賄賂として渡されていたという。
 PMDBとPTへの賄賂は、2010年、12年、14年の選挙の際、両党に7750万レアルずつ、合法的な献金として支払われたという。
 今回のレヴィアタン作戦は、同発電所建設を巡る不正の中でも、閣僚や議員としての不逮捕特権がない人物にまつわる部分が対象で、ロボン氏の息子のマルシオ氏と、元パラー州選出の上院議員ルイス・オタヴィオ・オリヴェイラ・カンポス氏(PMDB)の2人に関連した場所で家宅捜索や物品押収が行われた。
 ベロ・モンテ発電所を巡る疑惑では、現職の議員らの名前も上がっており、ロボン氏に対する捜査も進んでいる。ロボン氏はルーラ政権の2008年1月から10年3月と、ジウマ政権第1期の4年間ずっと鉱山動力相をつとめており、このベロ・モンテ発電所を巡る疑惑の契約時期と在任時期が一致する。ロボン氏は先週、最高裁判事や連邦検察庁長官の諮問を担当する上院CCJの委員長となったばかりだ。
 また、今回の捜査の中心のひとりとなったオタヴィオ氏は、パラー州出身で当時の港湾局長だったエルデール・バルバーリョ氏(PMDB)の推薦で、16年に国家水上輸送庁の事務局長に任ぜられており、バルバーリョ氏の関与も注目されそうだ。同氏の父は同党の大御所のジャーデル・バルバーリョ上議(PMDB)で、2人ともオタヴィオ氏と強いつながりを持っている。
 同発電所建設を巡る疑惑では、バルバーリョ上議やレナン・カリェイロス元上院議長、ロメロ・ジュカ上院政府リーダーら、PMDBの大物政治家の名前も出ている。

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