日鉄住金ステンレス鋼管、北関東と湘南工場フル生産 実需堅調、選別受注も継続

日鉄住金ステンレス鋼管(NSSP、本社・茨城県古河市、社長・八尾量也氏)は、溶接ステンレス鋼管を製造する北関東工場・古河地区(茨城県古河市)と野田地区(千葉県野田市)、ステンレス継目無(シームレス)鋼管の冷間引抜加工を行っている湘南工場(神奈川県藤沢市)、3地区すべてでフル生産状態が続いている。主要分野の実需が堅調に推移しており、一部では選別受注も継続している。

ケミカルタンカーなどの特殊船舶配管向けのヒモ付き分野が需要を底上げ。その他、店売配管、屋内配管、各種プラント、半導体、自動車などの主要分野がいずれも堅調に推移している。

小中径管ロールフォーミングを行う古河地区は、月産1400~1500トンのフル操業体制が続く。プレス成形で12インチ超の中大径管を製造する野田地区も好調。古河地区は、昨年1月から主要ラインのシフトを上げて対応している。

湘南工場で加工するステンレス継目無鋼管は、自動車向けをはじめとする国内全般に加え、輸出も好調。一時期、円高や端境期要因などで減少していた半導体用クリーンパイプの需要も回復してきた。足元、月産140トンレベルのフル生産が続く。

3地区では、これまでラインの繁忙度合いによって、工場間で人員をシフトするなどして対応してきた。古河地区では現在、工場内のレイアウトを変更中。検査・梱包・出荷など下工程の効率化を図るとともに、現在屋外に保管している一部製品在庫を屋内に入れる。

鋼管特約店では一部歯抜けサイズも散見されるなど、供給が追い付いていない状況。同社では、昨年8月から一部受注カットによる選別を行っており、当面継続していく方針だ。

また、供給体制維持に向けて、製品値上げについても速やかに浸透を図っていく。

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