【非鉄流通のいま】〈関西有数の銅・アルミ原料問屋・橋本アルミ〉設備フル活用で効率経営

橋本アルミ(本社・大阪市、社長・橋本寿郎氏)は1984年設設立の銅・アルミ原料問屋。従業員数は8人。銅・アルミスクラップなどの月間扱い数量は300~500トンで、関西有数の規模を誇る。

橋本アルミ・住之江流通センター

「扱い比率では銅系が3分の2、アルミニウムが3分の1。特長としては、機械化・自動化の徹底により作業員2人で月間800トンまでの原料にスムーズに対応できる。一方、1993年から中国向け非鉄スクラップ輸出を自社独自で開始したが、これは業界における先駆けとなった。足元の売上高比率は国内と輸出で半々」(橋本健一郎取締役)。

2001年に産業廃棄物中間処理の許可(6620108321号)を取得、04年には中国の法律改正により中国政府公認金属資源輸出許可(AQSIQライセンス・A392041090号)を取得した。

拠点は本社と住之江流通センター(大阪市住之江区)の2カ所。住之江流通センターの主要設備はベーラーマシン(HARRIS製/ENTERPRISE製各1基)、三方式プレス機2基、ユンボ1台、シャベル1台、リフト6台、デジタルスケール1基など。「非鉄原料の売買では待たせずに対応することが大事。設備をフル活用することで、計量・荷下ろし作業がスムーズに進み、喜んでもらっている」(同)。

課題は従業員の新規雇用と競争力強化の2点。「現場従業員の高齢化に伴い、新規に2人の雇用を予定している。若手がなかなか入ってくれないことが悩みだが、2人同時に採用するなど工夫したい。需要と販売先に関してはアンテナを巡らせ、競争力を強化する」(同)。

混載スクラップは、その目利きが収益に直結する。若手を採用してプロフェッショナルとして育成するという。

海外向けは中国以外に韓国とベトナムでルートを開拓済みだが、いずれもスポット取引にとどまる。「この2カ国で商売を定着させ、国際化が進む中で新たな向け先も検討したい。金属スクラップは価格変動商品であり、時に有償(商品)、時に逆有償(廃棄物)と変化する。社会のため、健全なリサイクルのためにも、引き続き業容拡充を目指したい」(同)。(白木 毅俊)

会社概要

▽資本金=1200万円

▽本社所在地=大阪市浪速区桜川1丁目1番19番

▽社長=橋本寿郎氏

▽TEL=06―6561―3536

▽主な扱い商品=銅スクラップ・アルミスクラップなどの買取、リサイクル、輸出、販売

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