米メディア分析、阪神藤浪は侍の“伏兵” 本調子なら「日本は危険な存在に」

3月に開幕する第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け、野球日本代表「侍ジャパン」は23日から強化合宿をスタートさせる。前回大会優勝のドミニカ共和国をはじめ、米国、ベネズエラ、プエルトリコがメジャーのスター選手を揃え、厳しい戦いが予想される中、海外での前評判は高い。

侍ジャパン・藤浪晋太郎【写真:Getty Images】

大谷欠場は「若干落胆」も…「穴を埋めることができるだろう」

 3月に開幕する第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け、野球日本代表「侍ジャパン」は23日から強化合宿をスタートさせる。前回大会優勝のドミニカ共和国をはじめ、米国、ベネズエラ、プエルトリコがメジャーのスター選手を揃え、厳しい戦いが予想される中、海外での前評判は高い。

 米スポーツメディア「Scout.com」は、日本代表を分析する特集記事を掲載。「優勝候補」と評価した上で、菅野智之投手(巨人)、山田哲人内野手(ヤクルト)を注目選手に挙げた。また、「過小評価されている選手」として、菊池涼介内野手(広島)、藤浪晋太郎投手(阪神)を紹介。優勝へのキーマンになると指摘している。

 日本は2006年の第1回大会、2009年の第2回大会で連覇を達成。しかし、メジャーリーガー不在で臨んだ2013年の第3回大会は準決勝でプエルトリコに敗れ、3連覇を逃した。記事では、「リベンジを図ろうとしている」日本が「2017年大会の優勝候補だろう」と分析している。

 右足首痛で大谷翔平(日本ハム)が欠場することについては「日本はメジャー以外で世界最高の選手抜きで戦わなければならない。WBCで最もエキサイティングなプレーヤーである大谷無しでは、若干落胆するファンもいるだろう」と指摘。一方で、「日本のロースターには才能豊かなNPB選手が多く見られる。日本最高の選手の穴を埋めることができるだろう」と、大谷不在は問題にならないとの見方を示している。

菊池は「洗練された内野手」、藤浪が好投なら「日本は遥かに危険な存在に」

「鍵となる選手」には、投手では菅野、野手では山田を“指名“。菅野がエースになるとした上で「彼は7種類の兵器を兼ね備えている」と球種の多彩さを称えている。また、山田については、NPB史上初の2年連続「トリプルスリー」達成者であることに言及。唯一のメジャーリーガーである青木宣親外野手(アストロズ)の名前も挙げ、「ヤマダがアオキの後を打てば、アオキの塁上での素晴らしいスキルは、日本に得点をもたらすだろう」としている。小久保裕紀監督は、青木を1、2番で起用する考えを明かしており、山田がクリーンアップに座れば、記事で指摘するような形での攻撃が実際に見られそうだ。

 そして、「過小評価されている選手」として名前が挙がっているのが、山田と同じ二塁手の菊池。2人の定位置争いは日本国内でも注目されているが、「Scout.com」は「広島カープの洗練された内野手、リョウスケ・キクチはWBCで話題を呼ぶ可能性がある」と紹介。菊池は2014年の日米野球でも圧倒的な守備力でMLB公式サイトに取り上げられており、今大会で再び注目を浴びるかもしれない。

 藤浪も菊池と同様に「過小評価されている選手」として登場。昨年は7勝11敗、防御率3.25と不本意な成績に終わった右腕だが、2015年には14勝7敗、防御率2.40マークしており、「もし、シンタロウ・フジナミが2015年の状態を取り戻すことができれば、日本は当初の予想よりも遥かに危険な存在となるだろう」としている。大谷不在の中、同い年の藤浪が存在感を示すことができれば、日本が世界一に近づくことは確かだ。

 これまで強力な投手陣を擁し、躍進してきた日本。小久保監督は今大会も「投手力」を生かした野球で頂点を目指すと話している。ただ、記事では「過去3大会の日本は投手陣が有名だった。しかし、大谷不在のため、打撃陣が負担を背負わなければいけないだろう」と指摘。昨季のNPBで23本塁打以上を記録した選手として、筒香嘉智外野手(DeNA)、山田、鈴木誠也外野手(広島)、松田宣浩内野手(ソフトバンク)、中田翔内野手(日本ハム)、坂本勇人内野手(巨人)の名前を挙げ、「もし、キューバ、ドミニカ共和国、米国のような国に打ち勝ち、投手陣が堅実な投球を見せれば、日本がWBCで優勝する可能性は十分にある」と結論づけている。

 2大会ぶりの世界一へ、新たなスターの誕生にも期待したいところだ。

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