エンビプロHDの貴金属回収目標、通期で金50キロ、銀500キログラムへ

鉄・非鉄スクラップ業を傘下とする持ち株会社、エンビプロ・ホールディングス(社長・佐野富和氏)は17日、都内で2016年7~12月期の決算説明会を開催し、資源リサイクル事業における貴金属の回収目標を金は通期で50キログラム、銀は同500キログラムとしていることについて「下期にかけて徐々に増えており、目標の回収量は十分に達成可能だ」(佐野社長)と自信を示した。前期実績の回収量は金が37キログラム、銀は333キログラムだった。同社はスクラップの破砕残さや廃棄物の焼却灰からの貴金属回収に力を入れている。

上期(16年7~12月期)の回収実績は金が22キログラム(前年上期は19キログラム)、銀が213キログラム(同171キログラム)とともに前年を上回った。下期の目標は、金が28キログラム(前年下期は18キログラム)、銀が287キログラム(同162キログラム)とした。

貴金属回収に関して佐野社長は、焼却灰や焼却残さからの回収事業を「欧州では民間企業も手掛けているが、日本では少ない」とし、有望な都市鉱山でもあることから「私のライフワークとしても位置付けている」と表明した。同事業による通期の粗利益は約1億5千万円の見通し。

大手セメント会社と共同研究を進めている焼却灰からの貴金属回収に関しては、今年8月に実証機を設置して事業性を確認する予定とした。また、今年4月からグループ会社が自治体の焼却残さからベースメタルと貴金属の選別回収販売業務を委託。同4月には海外からの金銀滓(焼却残さ由来)のサンプル輸入を開始するとした。

使用済みのリチウムイオンバッテリー(LIB)からニッケルやコバルトを回収する研究開発事業については、今期2千万円の予算を将来的に1億円規模へスケールアップすることも検討するとした。

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