コリンチャンス対パルメイラスの伝統の一戦から100年=サンパウロの新聞で一大記念特集

コリンチャンス対パルメイラス―伝統の一戦から100年を伝える、フォーリャ紙(8頁)の特集記事  編集部撮影

 サッカーの世界では、同じ市(もしくは州、県)にあるチーム同士の対戦を「ダービー」、伯国では「クラシコ」と呼ぶ。このたび、伯国最大のクラシコが、めでたく100周年を迎えた。
 2月21日、聖市に本社を置く新聞フォーリャ紙は、同市の人気チーム、コリンチャンスとパルメイラスのクラシコが100周年をむかえたことを、6ページもの特別紙面を組んで伝えた。これは、日本の新聞がプロ野球の巨人対阪神戦の記念記事だけで6ページ作るようなものだ。
 もっとも、厳密には聖市には「クラシコ」を戦うチームがもう二つある。ひとつがサンパウロFC、もうひとつがサントスだ。だが、いかにあの伝説のペレやネイマールの出身チームとは言え、サントスは郊外のサントス市のチームという印象が聖市民には強く、ここ20~30年の平均でチーム戦績なら国内随一のサンパウロFCも、全盛期の到来がやや遅かった印象を持たれている。
 事実、パルメイラスのファンに「クラシコとは?」の質問をすると、63%が「コリンチャンス対パルメイラス」と答え、コリンチャンスのファンも45%が同じ回答をする。やはり、サンパウロでのクラシコと言えば、「アルビネグロ(白黒・コリンチャンス)対アルビヴェルデ(白緑・パルメイラス)」の戦いなのだ。
 最初のクラシコは、1917年5月6日に行われ、パルメイラスの前身チームのパレストラ・イタリアが3―0でコリンチャンスを下している。以後、パレストラ・イタリアは1942年に現在のパルメイラスのチームめ、コリンチャンスと死闘を繰り広げ、これまで通算成績はパルメイラスの125勝、コリンチャンス120勝、引き分け107と、ほぼ互角の戦いを繰り広げている。
 クラシコは常に観衆が熱狂するため、ファン同士の抗争も絶えず、これまでに多くの負傷者、死亡者も出してはいる。だが、両チームは人気と伝統に支えられ、コリンチャンスは2015年、パルメイラスは2016年に全国選手権で優勝を飾ったのも記憶に新しい。
 今回フォーリャ紙で組まれた企画では、歴代名選手のインタビューやクラシコの名勝負選、歴代の記録のほか、「夢の歴代ベスト・イレブン」まで選んでいる。コリンチャンスでは、ペレ時代の黄金キーパーのジウマールや、ペレ引退後のセレソンのエースだったリベリーノ、82年W杯の黄金カルテットでおなじみのソクラテスなどを選出。パルメイラスからは、02年W杯優勝メンバーのマルコスにロベルト・カルロス、リヴァウドなどが選ばれている。
 この特集は紙面のみならず、特設サイトfolha.com/derbi100でも閲覧可能だ。

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