「グルメンピック」の延期で、返金をめぐり出店者とトラブル、大東物産(株)が破産開始

 大東物産(株)(TSR企業コード:300183526、法人番号:5010001153808、中野区東中野4-4-1、設立平成25年5月、資本金1億1200万円、中井冬樹社長)は2月20日、東京地裁に破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。破産管財人には笠井直人弁護士(笠井総合法律事務所、中央区銀座3-11-18、電話03-3546-2033)が選任された。
 負債総額は債権者510名に対して1億2340万円(うち508名が出店予定者)。

 平成28年7月に、東京オリンピックに向けて日本・全国各地のグルメを世界に発信していくことを目的としたイベント「グルメンピック」の開催を目指し事業を開始。「グルメンピック2017」を東京都調布市の味の素スタジアムで、29年2月13日から2月17日、2月20日から2月24日の10日間、「大阪グルメンピック2017」を舞洲スポーツアイランドで、同年2月17日から24日の8日間、開催するとし、全国の飲食店を中心に募集を開始した。先着申込には出店料20万円、その他は40万円を設定し、29年1月23日には大阪、同月24日と25日は東京でイベントの説明会を実施する予定だった。
 しかし1月17日、当社は両イベントの説明会および開催日程の延期を発表。会場運営等の請負会社の急なキャンセルで、事故や災害を事前に防ぐことが困難となったことを理由にあげ、イベントの見直しを4月ごろまでに、実施を8月末から遅くとも9月初旬に開催するとしたほか1月23日、2月末までに出店料を返金することを公表していた。その後、当社や実行委員会と連絡が取り辛い状況が続き、出店予定者と返金に関するトラブルが発生。一部の出店予定者は警察に相談していた。破産管財人によると「破産申請時点の資産は現預金1712万円しかなく、債務超過のようだ。出店料など資金の流れの調査を進めていく」としている。
 関係者によると、大東物産は休眠状態だった会社を前社長らが28年6月に取得し、同年10月に現本社地へ移転、同年11月に現代表が就任していた。

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