ダウン症17歳剣道初段に 濱口さん、教育長に報告 相模原

 ダウン症による心身の発達障害がある県立相模原中央支援学校(相模原市中央区)高等部2年の濱口純(まこと)さん(17)=同市中央区在住=が剣道段位審査会で見事初段に合格した。

 濱口さんは昨年11月の審査会に参加。実技、学科、形の審査に臨み、特に面を打った際の竹刀さばきが、審査員5人が全員合格を出す鮮やかさだった。ダウン症のある人で段位審査に合格し、初段となったのは市剣道連盟では初めてという。

 濱口さんは市剣道連盟の支部「小山剣道」に所属。毎週2回、市立向陽小学校で行われている稽古に通う。小学1年から指導してきた支部長の佐々木英典さん(63)は「稽古前の雑巾がけもリーダーとして号令をかけてくれている。ほとんど休まずこんなに熱心な子はいない」と取り組む姿勢にも太鼓判を押す。

 付き添いで見守ってきた父浩行さん(53)も濱口さんが中学入学後に剣道を始め、今回の審査会で2段に昇段。剣道を通じて、父子の会話も弾むという。

 23日に両親と市役所を訪れ、野村謙一教育長に報告した濱口さんは賞状を誇らしげに披露し、「次は2段を目指したいです」と力強く宣言した。

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