横浜駅通り魔事件で被告に懲役2年4月 横浜地裁判決

 横浜駅東口地下街で2009年3月、女性が刃物で刺されて軽傷を負った通り魔事件で、傷害の罪に問われた男性被告(45)に対し、横浜地裁(大森直子裁判官)は23日、「身勝手な犯行で、相当悪質」などとして、懲役2年4月(求刑懲役3年)の判決を言い渡した。

 大森裁判官は判決理由で「偶然見掛けた被害者を衝動的に刺そうと決意した」と認定。自殺しきれずにいたことを被告が背景として挙げている点について、「自らが抱える負の感情を見ず知らずの他人にぶつけたと評価され、動機や経緯に酌量の余地はない」とし、実刑が相当との考えを示した。

 判決によると、男性被告は同月1日、横浜市西区の地下街「ポルタ」から地上に出る階段で、同市に住む女性(31)の腰を果物ナイフで1回突き刺し軽傷を負わせた。女性は逃走した伊藤被告の顔に見覚えがなく、県警は通り魔事件として捜査。7年後の16年11月に傷害容疑で逮捕した。

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