“初戦”で沈黙の侍打線 キーマンの1番山田と5番中田に共通する問題点とは?

3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて宮崎で強化合宿を行っている野球日本代表「侍ジャパン」は25日、「2017 侍ジャパンオープニングマッチ」(KIRISHIMAサンマリン宮崎)でソフトバンクと対戦し、0-2で敗れた。菊池涼介内野手が3安打、筒香嘉智外野手が1安打を放ったが、1番の山田哲人内野手が4打数無安打、5番の中田翔内野手が併殺を含む3打数無安打と主軸が沈黙した。3月7日の初戦・キューバ戦(東京ドーム)までに侍打線は調子を上げることができるのか。

侍ジャパン・中田翔【写真:岩本健吾】

ソフトバンク相手に4安打完封負け、稲葉コーチが指摘する2人の“課題“とは?

 3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて宮崎で強化合宿を行っている野球日本代表「侍ジャパン」は25日、「2017 侍ジャパンオープニングマッチ」(KIRISHIMAサンマリン宮崎)でソフトバンクと対戦し、0-2で敗れた。打線が4安打に抑え込まれ、完封負け。菊池涼介内野手が3安打、筒香嘉智外野手が1安打を放ったが、1番の山田哲人内野手が4打数無安打、5番の中田翔内野手が併殺を含む3打数無安打と主軸が沈黙した。3月7日の初戦・キューバ戦(東京ドーム)までに侍打線は調子を上げることができるのか。

 この日、侍ジャパンが最大のチャンスを作ったのは初回だった。先頭の山田は見逃し三振に倒れるも、菊池、筒香のヒットで2死一、二塁。先制のチャンスを作った。しかし、中田は相手先発・東浜の前に遊ゴロ。得点を奪うことはできなかった。中田は4回も筒香が四球の後に無死一塁で打席に入り、遊ゴロ併殺打。山田も4タコに終わった。

 山田は“切り込み隊長”、そして中田は主砲・筒香の後を打つ5番として、侍の勝利のために活躍が不可欠だ。特に、中田について小久保裕紀監督は「筒香の後を打つ打者が大事。そこに中田が入ってこないと。やってもらわないといけない感じです」と話していたが、この試合では不発。日本ハムのキャンプから、なかなか調子が上向いてこない。

 試合後には、筒香、松田宣浩らとともに特打を行った大砲。バットを振り込んだ理由を聞かれ「別に理由はないですけど。なんとなく」と話し、状態についても「悪くない」としたが、早く結果がほしいところだ。

侍戦士の高い能力を信じる稲葉コーチ「彼らは一流選手なので…」

 特打を見守った稲葉篤紀打撃コーチは「ちょっとボール球を振りすぎてたので、少しボールを長く見る時間を作ろうかという話をさせてもらった。どうしても打ち急いでしまっているので、ボール球も振っていましたし、自分で捉えたと思った打球が少し差し込まれている。体の近くまでボールが来て慌てて打っている感じだったので」と問題点を指摘する。

 一方、山田についても「哲人もやはり少しタイミングを取るのが遅いというか、いつもに比べるとボールを長く見る時間が少ないというか。慌てて足を上げて打ちに行っている感じ」だという。2人には共通した課題があるようだ。例年よりも早い時期に仕上げなければいけない状況の中、打席での感覚をつかみきれてない。山田は試合後に木の花ドームに移動して、「自分のルーティン」と語るティー打撃でバットを振り込んだ。

 こちらも本人は「自分の感覚としてはいい感じですね」と話すが、実際に必要なのは結果だ。あと4試合しか強化試合がない中で、2人は間に合うのか。稲葉コーチは「彼らは一流選手なので、7日までにはしっかり合わせてくれると信じてます」と言いながらも、自らの経験を振り返り、こう話した。

「正直すごく難しいところ。僕もWBCに2度出させてもらいましたけど、一生懸命そこに合わせようとしても、合わないこともあります。でも待ってはくれないので。その中で何ができるかということを考えながらやることが大事」

 稲葉コーチは「今日負けたことによって、また選手が『これじゃいかん』っていう気持ちを引き締めてくれたらいいのなかと思います」とも話す。2017年初の試合で現時点での課題が浮き彫りになったが、侍打線のキーマンたちは、世界一へ向けて急ピッチで準備を続けている。

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