日本人大リーガーの“成功度”を米記者が回答 “貢献度”歴代10傑は?

これまで数多くの日本時選手がメジャーリーグへと渡った。渡米後順調にメジャーデビューを引き寄せた選手、その後も長年に渡って活躍した選手、マイナーのまま帰国した選手などさまざまだ。

ヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】

田中将大は他の日本人選手と比べてどの程度成功? 米記者が提示した答えは

 これまで数多くの日本時選手がメジャーリーグへと渡った。渡米後順調にメジャーデビューを引き寄せた選手、その後も長年に渡って活躍した選手、マイナーのまま帰国した選手などさまざまだ。

 村上雅則投手が1964年にジャイアンツで日本人初のメジャーリーガーとなり、95年にドジャースでデビューした野茂英雄氏がパイオニアとして後進へと道を開いた。メジャー球団に所属した日本人選手はここまで50人を超える。その中でどの選手が最も輝きを放ったのか。このほど、米メディアが勝利に対する貢献度の指標でランク付けを行い、トップ10を掲載した。

 米メディア「リバー・アベニュー・ブルース」が読者の疑問に回答する形でレポートしたもので、同メディアに寄せられたのはヤンキースに所属する田中将大投手に関する質問だった。

「タナカは移籍以来メジャーでとてもよくやっています。ダイスケ・マツザカは高い触れ込みがありましたが、偉大なキャリアは積めませんでした。また、ダルビッシュ・ユウもよくやっています。他の日本人投手と比べて、タナカはMLBでどのくらい成功していますか?」との問いかけに、米CBSスポーツでもコラムニストを務めるマイク・アクシサ記者が回答。日本人投手で「MLB史上6位程度」との見方を提示した。

日本人投手1位は野茂、黒田も肉薄

 今回の特集で用いているのはメジャーで重視されている指標の一つであるWAR(Wins Above Replacement)。打撃、守備、走塁、投球を総合的に評価して選手の貢献度を示すもので、そのポジションの代替可能選手と比較してどれだけ勝利数を上積みしたかを表している。これによると田中のメジャー通算WARは+11.7で日本人歴代9位、投手では6位の大家友和投手と僅差の7位となっている。

 2014年に楽天から移籍した右腕は1年目で右肘の負傷などに苦しみながらここまで3年連続2桁勝利をマーク。初めてシーズンを通して先発ローテを守った昨季は199回2/3を投げ、自己最多14勝(4敗)、リーグ3位の防御率3.07をマークした。規定投球回にも初めて到達し、評価を高めた田中はここまで通算39勝16敗と勝率(.709)も高い。そんな28歳にアクシサ記者は今後もランキングが上昇していくと予想している。

 一方、日本人投手1位は通算323登板で123勝、109敗、防御率4.24の成績を残し、ノーヒットノーランも2度成し遂げている野茂氏。WARは+21.8となっている。その数字に肉薄しているのは昨季広島で現役を終えた黒田博樹氏。ドジャース、ヤンキースで通算212登板、79勝79敗、防御率3.45をマークした右腕は7シーズンで5度の2桁勝利、3度の200イニング超えを果たすなど安定した投球を継続し、WARも+21.7で野茂氏とほぼ同等の数字を残している。

日本人1位はイチロー、歴代トップ10は…

 また日本人全体の1位はマーリンズのイチロー外野手。メジャー16年で2500試合に出場し、3030安打、打率.313、114本塁打、760打点、508盗塁と圧倒的な数字を残した。走攻守で活躍し、引退後の米野球殿堂入りは確実と言われている。そんなレジェンドはWARも+59.9と日本人選手の中では突出した数字となっている。また、野手2位はヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏で全体でも4位につけている。

 ランキングのトップ10には現役6選手が名を連ねており、田中らが数字を積みか上げていくことは確実。今後、メジャー史に名を刻むような成績を残せるか。さらなる飛躍が期待される。

 以下が米メディアで伝えられた歴代日本人選手のWARランキング。

1.イチロー +59.9※
2.野茂英雄 +21.8
3.黒田博樹 +21.7
4.松井秀喜 +21.3
5.岩隈久志 +16.5※
6.ダルビッシュ有 +15.8※
7.上原浩治 +13.6※
8.大家友和 +11.9※
9.田中将大 +11.7※
10.長谷川滋利 +11.6

※は現役選手。

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