普通鋼鋼材輸入、薄板が増勢 国内品薄で調達増

薄板需給のひっ迫を背景に鋼材輸入量が増加している。日本鉄鋼連盟がまとめた1月の普通鋼鋼材輸入量は41万4730トンで、前月比22・6%増加した。41万トンを上回るのは14年5月以来2年8カ月ぶりで、コイルセンター(CC)など流通や建材メーカーなどを中心に母材の手当てを急いだことなどが要因とみられる。そのため、品種別では冷延薄板類および亜鉛めっき鋼板の増加が目立つ。国別では韓国材の増加が顕著で、前月比7万トン増の約31万トンとなった。

1月、前月比2割増

国内高炉メーカーの供給は今なおひっ迫しており、年間でも鋼材輸入量は昨年比で増える可能性がある。

阪和興業の岸壁在庫調査によると、今年1月末の在庫量は前月比1万トン増の14万9千トン。輸入増の結果とみられるが、昨年の在庫量のピークは8月の17万2千トンで、まだその水準に届いていない。市中にも過剰感はなく、薄板類、特に酸洗およびめっき鋼板について品薄感はいまだに強い。ただ、過剰な輸入材手当ては将来的に在庫負担を招く恐れもある。

品種別の前月比増減を見ると、熱延薄板類は2353トン減の14万4404トン、冷延薄板類は3万684トン増の8万6994トン、亜鉛めっき鋼板は2万8124トン増の7万1926トン、厚中板は7644トン増の4万8414トン、線材は67トン増の6173トン、鋼管は2385トン増の1万8615トン、H形鋼は2633トン増の1万3346トン、棒鋼は1962トン増の4545トン。

国別の輸入量は、韓国からが30万7526トン、中国からが3万1082トン、台湾からが7万1929トンだった。

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