19年度にも全面供用 南本牧ふ頭高規格ターミナル

 ◆横浜港、邦船3社の合弁誘致へ 世界最大級のコンテナ船にも対応できる横浜港・南本牧ふ頭(横浜市中区)で建設が進む国内最大級の高規格ターミナルが早ければ2019年度にも、全面供用されることが24日までに分かった。ターミナル運営会社は、コンテナ船事業を統合する日本の海運3社が設立する合弁会社の新たな拠点として誘致を進め、東京港との差別化を図る方針を打ち出した。

 同ふ頭で四つ目のコンテナターミナルとして建設が進む「MC−4」は国内最大の水深18メートルで、岸壁延長は500メートル。15年に供用を始め、日本郵船が拠点としている同規模のMC−3と連続している。水深16メートルのMC−1、2と合わせてふ頭全体で効率的な運用が可能になる。

 国土交通省と横浜市が13年度に着工し、当初は18年度の完成・供用を目指していたが、当初計画から岸壁を100メートル延長したことから、完成が遅れていた。海運業界の世界的な再編が加速する中、19年度の供用を目指して調整を進めることにした。

 この動きと連携して、南本牧ふ頭のターミナルを運営する横浜川崎国際港湾(横浜市西区)は国の補助制度を活用し、コンテナ船事業を統合する日本郵船、商船三井、川崎汽船の邦船3社が18年4月からサービスを始める新たな合弁会社に対し、東京港から南本牧ふ頭に拠点の誘致を働き掛けていく。

 諸岡正道社長は神奈川新聞社の取材に対し、「横浜港の邦船3社の拠点は南本牧、本牧、大黒と三つのふ頭に分かれている。コンテナ船事業が統合されて一つの会社となれば集約することが合理的だし自然。ぜひ南本牧に集約していただきたい」と語った。

 その上で「世界的にコンテナ船が大型化する動きがあるが、3社が長く使っている東京港・大井コンテナテーミナルの水深では大型船が入らない。(MC−4の完成は)邦船にとって二度とないチャンス。将来的には横浜港に移っていただきたい」と誘致に意欲を示した。

© 株式会社神奈川新聞社