JFEエンジ・再生エネなどの新電力供給、水俣で実証試験開始

JFEエンジニアリング(社長・狩野久宣氏)は27日、熊本県水俣市およびチッソの子会社、JNCと共同で再生可能エネルギーを中心とした電力による水俣市保有施設への電力供給の実証試験を開始すると発表した。JFEエンジが保有する再生可能エネルギー発電所に加え、JNCが保有する水力発電所からの電力をJFEエンジ子会社のアーバンエナジーを通じて水俣市の保有施設に17年度の早い時期から供給する。

実証試験では、JFEエンジが廃棄物やバイオマス、太陽光、風力などの、JNCが水力の再生可能エネルギーの電力発電事業者としてアーバンエナジーへ電力を販売。アーバンエナジーは再生可能エネルギー比率70%、JNCは100%となっている。アーバンエナジーが小売電気事業者として水俣市へ電力を販売し、水俣市役所を中心とした施設で計1千キロワット規模の電力をまかなう。

実証試験期間は今年2月から18年3月までを予定しているが、電力使用量がピークとなる時期に供給が滞りなくできることが実証できれば、終了前の事業化の可能性もあるという。水俣市保有施設への電力供給から6カ月~1年をめどに電力供給先の再生可能エネルギー比率向上によるCO2排出量削減や供給の安定性、料金削減などを確認する。この効果を確認次第、3者は共同出資による地域エネルギー供給会社の設立に向けた協議を開始する予定。

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