薄板3品在庫、5カ月連続400万トン割れ 1月末390万トン、適正水準を維持

1月末の薄板3品の国内在庫(メーカー・問屋・コイルセンター、速報ベース)は前月末比8万5千トン増の389万6千トンと5カ月連続で400万トン割れとなった。適正水準とされる400万トン以下を維持した。1月末は過去10年平均で9万トン増だが、今回の増加幅はそれを下回った。メーカーでは「在庫調整トレンドが継続している」(新日鉄住金)としており、薄板の需給タイト感は当面継続しそうだ。

季節要因で8.5万トン増

3品全体の在庫率は2・15カ月(12月は2・24カ月)と低下した。分母となる国内向け薄板生産量は前年比で2%増だった。品種別在庫率は熱延2・57カ月(12月は2・70カ月)、冷延2・19カ月(同2・32カ月)、表面処理1・69カ月(同1・73カ月)。

1月末の在庫内訳はメーカー在庫が前月末比5万6千トン増の180万5千トン、問屋在庫が6千トン増の75万8千トン、コイルセンター在庫が2万4千トン増の133万3千トン。品種別では、熱延が6万2千トン増の193万2千トン、冷延が1万2千トン減の74万トン、表面処理が3万5千トン増の122万4千トン。

過去パターンでは2月末が10万トン減、3月が2万トン減。今後も在庫調整トレンドが継続する見込みだ。懸念材料は輸入材の動向。1月は前月比5万トン増の約30万トンに増えた。数量増に加え、入着価格も「上昇の傾向は見られるが、韓国など自国の価格上昇幅に比べると、輸入材は小幅にとどまっている」(関係筋)のが現状だ。

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