JFEスチール西日本・倉敷の熱延工場新5号加熱炉、稼働式開催・営業運転開始

JFEスチール西日本製鉄所・倉敷地区(岡山県倉敷市、弟子丸慎一西日本製鉄所長・倉敷地区所長)では昨年12月に熱延工場の新5号加熱炉の建設が完工、今月1日に営業運転を開始した。2016年5月に着工して工事を進めてきたもので、1日には倉敷地区幹部や工事関係者約50人を集め、現地で稼働式を行った。本投資で熱延コイル月産量は約40万トンから50万トン水準に増強され、エネルギー効率改善による二酸化炭素排出削減にも貢献する。

稼働ボタンを押す黒田倉敷地区副所長

薄板製造の基幹ラインである熱延工場の能力を拡大し、高級品生産へのシフトと省エネルギー化が狙い。加熱炉を既存4基から、新加熱炉の建設で5基とした。新加熱炉は奥行き約35×幅約13×高さ約10メートル。すべてのバーナーに熱効率が高いリジェネバーナー(52基)を採用するなど、最新技術を用いた。従来の加熱炉より加熱時間の短縮、エネルギーの削減を10~20%実現している。

式典当日、稼働ボタンを押した黒田茂倉敷地区副所長は、難工事を2カ月前倒しで終えたことを喜び「この装置の設備能力、省エネ特性、品質のばらつきの少なさをいかんなく発揮して、新商品をお客様に届けていく」と挨拶した。

エネルギー効率を高めた新5号加熱炉

倉敷地区では、コークス炉更新工事も進行中。昨年1月末に老朽更新した第3コークス炉に続き、今月に第2コークス炉の老朽更新工事が完工して稼働する予定。これに伴い、倉敷地区は完全自給、西日本製鉄所でもコークスの全量自給体制が整う見込み。

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