テルニウム、メキシコに新CGL=290億円投資 カラー鋼板も増産、新日鉄住金の合弁と別に

中南米の鉄鋼大手、テルニウムは1日、メキシコで2億6千万ドル(約290億円)を投資し、溶融亜鉛めっきライン(CGL)とカラー鋼板ラインを新設すると発表した。めっき鋼板の年産能力は30万トン、カラーは12万トンで、2020年までに稼働させる。テルニウムは新日鉄住金とメキシコで溶融亜鉛めっき鋼板の合弁事業、テニガルを手掛けているが、今回の新CGLは合弁の枠外で行うテルニウム単独の投資案件となる。

テルニウムは当初、テニガルへ49%出資する新日鉄住金と第2CGLの増設に向け事業化調査(FS)を行うことで合意していたが、最終的にテニガルでの投資は見送った。ただテニガルが自動車向けを主体とするのに対し、テルニウムは今回の投資で家電向けでのポジションを強化するとしている。

テルニウムは先月、ドイツのティッセン・クルップからブラジルの高炉・スラブ事業会社、アトランティコ製鉄(CSA)を買収することで合意。CSAから高品質なスラブを安定調達し、上工程の能力が不足しているメキシコ事業で熱延コイルなど薄板を増産する狙いとみられていた。

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