小林が侍ジャパンの“正捕手“に!? 小久保監督が絶賛した豪州戦の「声かけ」

野球日本代表「侍ジャパン」は8日、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド第2戦でオーストラリア(東京ドーム)と対戦し、4-1で勝利した。小久保裕紀監督は、2試合連続でフル出場した小林誠司捕手(巨人)を絶賛。日本の“正捕手”がついに決まりそうだ。

侍ジャパン・小林誠司【写真:Getty Images】

5回1死満塁、2ボール直後に岡田へ声かけ…指揮官「非常にいい間。絶妙だった」

 野球日本代表「侍ジャパン」は8日、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド第2戦でオーストラリア(東京ドーム)と対戦し、4-1で勝利した。小久保裕紀監督は、2試合連続でフル出場した小林誠司捕手(巨人)を絶賛。日本の“正捕手”がついに決まりそうだ。

 小林はこの試合、普段からコンビを組む先発・菅野の快投を引き出しただけでなく、2つの犠打を決めて攻撃面でも貢献。昨年11月の強化試合ではワンバウンドを何度も逸らし、暴投連発となってしまった3番手・千賀のフォークも懸命に止め、好投を引き出した。

 そして、小久保監督が試合後の会見で小林を絶賛したのは、1-1で迎えた5回の場面だ。菅野が65球の球数制限を超えて2死一、二塁で降板すると、左腕・岡田がマウンドへ。しかし、最初のバッターに1球もストライクが入らず、ストレートの四球を与えてしまう。さらに、続くベレスフォードにも2球連続でボール。ここで、明らかに硬くなっている岡田の元へ小林が駆け寄った。

「1死満塁の大ピンチの時、岡田が2ボールとした後、小林がマウンドに行って非常にいい間を取った。その後の次のボールでゲッツーということで、今日の小林のあのタイミングでのピッチャーへの声かけは絶妙だった」

 岡田は2ボールから3球目でベレスフォードを二ゴロ併殺打に仕留めてピンチを脱出。まさに試合の行方を左右する大きな場面だった。

「あの展開で小林に代打を出すという考えは100%ない」

 また、8回から登板した宮西とセットでチームメートの大野を投入しなかったこと、3点リードの9回に先頭の鈴木が出塁した後、追加点を奪うために松田にバントをさせて小林に代打という形を取らなかったこと(結局は松田がヒットで続き、小林がバント成功)について聞かれると、小久保監督は語気を強めた。

「あの展開で小林に代打を出すという考えは100%ありません。理由は勝ちゲームだからです。宮西のところも、小林がずっといいところを引き出しているので、今のところ小林の安定と、ずっと受けている姿を見て、代えるという選択肢はなかったです」

 精神的支柱の嶋が大会直前で離脱し、炭谷が緊急招集された捕手陣。指揮官は当初からレギュラーを固定せず、当日の先発ピッチャーと相性のいい捕手を起用する考えを明かしていた。この日は菅野が先発だったため、巨人でも相性抜群の小林が先発するのは当然の流れだった。

 ただ、2試合続けて攻守両面で奮闘を見せた強肩捕手の存在感はチーム内で確実に大きくなり始めている。

 長年、懸念材料だった日本の正捕手の座を小林が射止めるのか。世界一奪回を目指す侍ジャパンにとっても、ポイントの1つとなりそうだ。

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