新英金属・豊田工場、シュレッダー機を更新 再資源化原料を高付加価値化

中部地区大手鉄スクラップヤード業者の新英金属(本社・愛知県安城市、社長・金子豊久氏)は競争力のある加工体制を構築し、再資源化原料の高付加価値化を推進する。その一環として、約4億円を投じて豊田工場(豊田市)の新断スクラップ専用のシュレッダー加工機(破砕機)を新鋭機に更新。今月より本格稼働を開始した。

更新したシュレッダー機

同社は豊田工場(同豊田市)など東海三県下に全9工場を有し、自動車関連工場から発生する原料をはじめ建屋解体由来の鉄スクラップ、ステンレス、アルミ、銅などを集荷加工処理する大手ヤード業者。韓国、タイにも海外拠点を有するほか、関連会社に銅ナゲット加工の新英チップや非鉄金属原料取り扱いのシン英鋼業を擁する。

豊田工場は自動車関連メーカーなどから発生する原料を月1万トンペースで集荷、再資源化を手掛ける。同工場で取り扱う原料のうち約60%を新断原料が占める。主力設備の旧シュッレッダー加工機が導入後、約30年が経過。加工効率の低下が避けられず、新鋭機への更新を決めた。

更新した新シュレッダー加工機はクボタ環境サービス製の「KE―600」(840馬力)。稼働に支障なく更新を進めるため、工場外に新鋭機を設置。設置後は加工機全体をカバーし、防音・防振対策を施した。さらに新加工機を覆うように、工場建屋を約700平方メートル増設し、加工機を屋内化。工場周辺の環境対策を一層強化した。

新鋭機の生産能力は旧加工機比約60%アップの毎時10トン。処理能力が大幅にアップしたことにより、即納体制および販売力をさらに強化させる。原単位当たりの処理コストの低減を見込んでおり、再資源化原料の高付加価値化による競争力アップを狙うほか、他社からのシュレッダー加工の受託など事業領域の拡大を視野に入れる。

また、タブレット端末による遠隔操作が可能で、加工機への負荷やトラブル発生時の警告がリアルタイムに把握できるため、処理効率を追求した加工体制の構築を進める。

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