中国戦欠場の青木は「休養」 小久保監督は期待、2次Rへ「備えてほしかった」

野球日本代表「侍ジャパン」は10日、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド第3戦で中国に7-1で快勝し、3連勝を飾った。チーム唯一のメジャーリーガー、青木宣親外野手(アストロズ)は3試合目で初めてベンチスタートとなり、最後まで出場機会はなし。小久保裕紀監督はあえて「休養」を与えたことを明かし、12日のオランダ戦から始まる2次ラウンドへ「備えてほしかった」と話した。

侍ジャパン・青木宣親【写真:Getty Images】

9打席無安打の後の中国戦で出場機会なし、「調子を上げるよりは休養」

 野球日本代表「侍ジャパン」は10日、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド第3戦で中国に7-1で快勝し、3連勝を飾った。チーム唯一のメジャーリーガー、青木宣親外野手(アストロズ)は3試合目で初めてベンチスタートとなり、最後まで出場機会はなし。小久保裕紀監督はあえて「休養」を与えたことを明かし、12日のオランダ戦から始まる2次ラウンドへ「備えてほしかった」と話した。

 青木はキューバ、オーストラリアと2試合連続で「3番・中堅」として先発フル出場。キューバ戦では初回に筒香の先制打につながる二塁打を放つと、守備でも美技を連発して勝利に貢献した。ただ、オーストラリア戦では8回に四球を選び、筒香の2ランで生還して1得点を挙げたものの、4打数無安打。3点リードの9回2死満塁の好機では、珍しく空振り三振に倒れた。

 2試合でヒットは二塁打1本のみ。その後は9打席連続ノーヒット(1四球)となっている。ただ、この日の欠場は不調が理由ではなく、あくまで「休養」が目的だった小久保監督は言及。米フロリダ州からの長距離移動を経て2日にチームに合流してから、時差ボケもあるなかで希望練習日もすべて参加していたため、休みを与えたという。

 指揮官は「今日(中国戦に)出して調子を上げるというよりは、休養して明後日(12日)に備えたほうがいいという判断です」と説明。特に、オランダは内野手にザンダー・ボガーツ(レッドソックス)、アンドレルトン・シモンズ(エンゼルス)、ジュリクソン・プロファー(レンジャーズ)、ディディ・グレゴリアス(ヤンキース)、ジョナサン・スクープ(オリオールズ)とメジャーの一線級の選手を揃えるだけに「そういう中で彼がメジャーリーガーとしてチームにいることは大きい」と期待した。

チーム内で大きくなる青木の存在感、小久保監督「締まった感じがする」

 キューバ戦の試合前ミーティングで、青木は「Prove yourself right」という言葉をナインに伝え、鼓舞した。昨年、マリナーズでチームメートだったロビンソン・カノ内野手がよく口にしていた言葉で、「自分が正しいと証明しろ」という意味だ。最年長のチームリーダーとして、侍ジャパンの中での存在感は際立っている。

 小久保監督も、青木が合流してからは「(チームが)締まった感じがする」と明かす。「ベンチの振る舞いもそうですし、存在感がある。ベンチで出なかった選手への声かけであったり、そういうのも含めて締まった感じがします」。もはや必要不可欠な選手だけに、しっかりと休んで、ハイレベルな戦いになる2次ラウンドに備えてもらいたいと考えていた。

 1次ラウンドB組のMVPに輝いた4番・筒香、そして5番・中田がともに2本塁打と状態がいいだけに、3番・青木がさらに機能すれば、相手にとっては脅威のクリーンアップとなる。第1回大会、第2回大会と2度の世界一を知るベテランが休養を挟んで本来の力を発揮すれば、4大会連続の準決勝進出が大きく近づく。

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