台湾CSCの4~6月積み対日販価、全品種5000~7000円上げ

台湾・中国鋼鉄(CSC)は先週、4~6月積み(2Q)の日本向け販売価格について、熱延コイルなど全品種でおおむね5千~7千円引き上げる方針を取引先関係者にオファーし始めた。3期連続の大幅値上げとなる。ロールがタイト化していることや採算改善を進めたい方針から、数量は従来比で10%程度削減される見込み。

CSCは、この2~3月積み(1Q)で1万~1万4千円の大幅値上げを実行しており、16年11月から今年1月積み(16年4Q)販売の3期累計で値上げ幅は2万3千~5千円になるとみられる。さらなる値上げに踏み切ったのは、需給ひっ迫感の継続に加え、日本向け販価はいまだ国際市況に比べ割安感が強く、その是正を進めるため。

7~9月積み(3Q)についても「国際マーケット次第だが、この状況が続けば値上げするだろう」(CSC関係者)とし、「特に熱延コイルは陥没価格にあるため、値上げの可能性が高い」という。

国内薄板市況をめぐっては、新日鉄住金はすでに実行を決めた計2万円の値上げに対して、さらに追加して4月から5千円引き上げる意向を示したほか、輸入材に関してもすでに韓国ポスコは高値オファーを提示している。

オファー開始時期の違いに加え、納期遅れもあって、出荷ベースにおける実行値上げは各社の足並みが乱れているところもあったが、4~6月期中には値上げの足並みもそろってくることになりそう。

これにより、今後の指標となる価格水準は出荷ベースでもヤード持ち込みで熱延7万円、冷延8万円、めっき9万円の「7・8・9」となりそうな情勢だ。各メーカーともロールはひっ迫しており、アジアで最安値圏にある日本の薄板市況も国際マーケット並みの水準に近づく可能性が高まっている。

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