住宅耐震化補助30万円増 横浜市が来年度

 横浜市は4月から、古い木造住宅の耐震改修工事に対する補助額を30万円加算し、最大105万円に引き上げる。昨年4月の熊本地震を受けて拡充される国の支援策を活用。居住者の高齢化を背景に進みにくくなっている住まいの耐震化を費用面から後押しするが、2017年度限定の取り組みとなる見込みだ。

 対象は1981年5月以前の旧耐震基準で建てられた木造住宅。壁や筋交いを増やしたり、屋根を軽くしたりする工事を行うと、支援を受けられる。4月以降に申請し、来年3月末までに着工するのが条件。

 東日本大震災以前は150万円だった市の補助額は現在は75万円。震災後に特例措置として225万円に増やしたものの、その後段階的に引き下げている。しかし、熊本地震で旧耐震住宅の倒壊が相次いだことを踏まえ、改めて耐震化の促進を図ることにした。

 住宅の耐震化は、旧耐震住宅の強度不足が問題となった95年の阪神大震災以降、徐々に進んできたが、まだ道半ばの状況だ。市内には旧耐震の木造が2015年度末時点で約10万戸、マンションは約8万戸残っていると市は推計。これらを含めた市内全体の住宅耐震化率は89%にとどまっており、20年度に95%へ高める目標の達成にはさらに約10万戸の耐震化や建て替えなどが必要とみている。

 市建築防災課は「耐震化には居住者の命を守る目的だけでなく、周囲への被害や影響を防ぐ狙いもある。一日も早く取り組んでほしい」と補助制度の利用を呼び掛けている。

 問い合わせは同課電話045(671)2943。

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