国会前で大規模集会「民主主義 豊かにする試み」

【時代の正体取材班=田崎 基】南スーダン日報問題や森友学園問題などさまざまな政治的課題について幅広い世代が連携して語り合える場をつくろうと発足した市民団体「未来のための公共」(未来公共)が主催する初の国会前集会が17日夜、開催され、2千人余りの参加者が詰めかけた。激しいコールや掛け声はほとんどなく、大学生や保育士、子育て中の母親らが自分の言葉で思いを語った。  初めて集会でスピーチしたという大学生の福井周さんは「口を開けばうそをついてけむに巻く。そんな安い茶番を見るために、有権者である私たちは彼らを選挙で選んだわけではない」と強調。「未来公共の『いまの政治どう思う?』という問いかけに、国民一人一人が向き合わなければいけない」と呼び掛けた。

 未来公共は今の政治について一緒に声を上げようとこの日、発足した。世代や職種を超えたゆるやかなつながりをつくる。「多様な政治参加の手段をもって、民主主義をもっと豊かにしていく試み」だ。

 森友学園問題を巡っては、学校法人の元理事長が小学校建設の資金に「安倍首相からの寄付金が入っている」と発言。国有地売買の経緯なども含め問題が浮上している。

 学者の会の佐藤学学習院大教授(教育学)は「戦後最大の教育スキャンダルではないだろうか。続々と出てくる問題に通じているのは国の私物化、権力の私物化、私たちの生活の私物化だ。これほど人への侮辱はあっただろうか。私たちの力で真実を暴こう」と力を込めた。

 約1時間半の集会を「Get UP! Stand UP!(起き上がれ! 立ち上がれ!)」のコールで締めくくった。約2500人(主催者発表)が参加。毎週金曜夜に国会前で行う予定で、24日も実施する。

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