“戦犯”名指し、痛恨エラー、3発大暴れ…WBCを去ったNPBの新旧助っ人たち

第4回WBCは2次ラウンド(R)F組が終了し、日本、オランダと4強進出2チームが決定。大会は終盤に突入しているが、今大会を振り返ると、日本でもなじみ深いNPBの新旧助っ人が数多く奮闘していた。すでに大会を去った主な選手たちを紹介する。

日本でもなじみ深いNPBの新旧助っ人が数多く奮闘【写真:Getty Images】

なじみ深い助っ人が数多く奮闘…すでに姿を消した選手は?

 第4回WBCは2次ラウンド(R)F組が終了し、日本、オランダと4強進出2チームが決定。大会は終盤に突入しているが、今大会を振り返ると、日本でもなじみ深いNPBの新旧助っ人が数多く奮闘していた。すでに大会を去った主な選手たちを紹介する。

【韓国】(A組3位=1次ラウンド敗退)

林昌勇投手(2008~12年・ヤクルト)
1試合 0勝1敗0S 1回 0奪三振 防9.00

呉昇桓投手(2014~15年・阪神)
2試合 1勝0敗0S 3回1/3 6奪三振 防0.00

李大浩内野手(2012、13年・オリックス、2014、15年・ソフトバンク)
3試合 11打数2安打0本塁打1打点 打率.182

金泰均内野手(2010、11年・ロッテ)
3試合 8打数1安打1本塁打2打点 打率.125

 まさかの1次ラウンド敗退。貧打が苦しむ要因となり、その象徴となってしまったのが、3番金泰均、4番李大浩だ。ともに打率1割台と低迷。開幕2連敗で予選敗退が決まり、指揮官から貧打の“戦犯”に指名され、ベテラン2人とってホロ苦い大会となってしまった。

【台湾】(A組4位=1次ラウンド敗退)

宋家豪投手(2016、17年・楽天)
1試合 0勝0敗0S 3回1/3 1奪三振 4失点 防10.80

チェン・グァンユウ投手(2011~14年・DeNA、2015~17年・ロッテ)
2試合 0勝0敗0S 4回 8奪三振 5失点 防11.25

郭俊麟投手(2015~17年・西武)
2試合 0勝1敗1S 1回 2奪三振 7失点 防63.00

 3人の投手陣が挑んだが、いずれも振るわない結果となってしまった。特に次回大会の本戦出場権をかけた2連敗同士の最終戦・韓国戦に先発したチェンは1回1/3で3失点KO。流れを作れず、チームも延長戦の末に敗れ、次回は予選R降格となった。

キューバの大砲は3発大暴れ、カナダの0発助っ人は意地の1安打

【キューバ】(B組2位、E組4位=2次ラウンド敗退)

フレデリク・セペダ外野手(2014~15年・巨人)
5試合 15打数1安打 0本塁打 0打点 打率.067

アルフレド・デスパイネ外野手(2014~16年・ロッテ、17年・ソフトバンク)
6試合 19打数9安打 3本塁打 6打点 打率.474

 鮮烈なインパクトを残したのが、デスパイネだ。1次R豪州戦で逆転満塁弾を放ち、計3本塁打。1、2次Rで対戦した日本戦2試合でも一発を含め8打数5安打の大暴れで苦しめた。セペダは打率0割台だが、7四球を選び、さすがの選球眼を見せた。

【オーストラリア】(B組3位=1次ラウンド敗退)

ミッチ・デニング外野手(2015年・ヤクルト)
3試合 11打数2安打 0本塁打 1打点 打率.182

 左の長距離砲として鳴らしたデニングは4番を託されながら1次Rの日本、中国戦と無安打。最終戦・キューバ戦で2安打を放ち、意地を見せたが、チームの2次R進出に導くことはできなかった。

【カナダ】(C組4位=1次ラウンド敗退)

スコット・マシソン投手(2012~17年・巨人)
2試合 0勝0敗0S 2回 2奪三振 2失点 防0.00

クリス・ラルー投手(2013年・ヤクルト)
1試合 0勝0敗0S 1回 1奪三振 0失点 防0.00

ジェイミー・ロマック内野手(2016年・DeNA)
3試合 8打数1安打 0本塁打 0打点 打率.125

 マシソンは救援で2失点ながら自責0で防御率0.00とさすがの活躍。ロマックは昨年在籍したDeNAで0本塁打と苦しみながら代表に選出され、意地の1安打。凡打でも全力疾走を欠かさない、日本時代と変わらない勤勉ぶりだった。

【コロンビア】(C組3位=1次ラウンド敗退)

ギジェルモ・モスコーソ投手(2014~16年・DeNA)
1試合 0勝1敗0S 1回 0奪三振 1失点 防6.75

 DeNAで3シーズンプレーしたモスコーソは米国戦で同点の9回から救援。しかし、10回にサヨナラ打を浴びて敗戦し、登板はこの1試合のみ。躍動する姿を見せることはできなかった。

最も活躍が目立ったメキシコ勢、おなじみ“スシポーズ”も披露

【メキシコ】(D組4位=1次ラウンド敗退)

ルイス・メンドーサ投手(2014~17年・日本ハム)
1試合 1勝0敗0S 4回 2奪三振 2失点 防4.50

ブランドン・レアード内野手(2015~17年・日本ハム)
3試合 13打数 3安打 1本塁打 4打点 打率.231

ジャフェット・アマダー内野手(2016~17年・楽天)
3試合 10打数 5安打 1本塁打 2打点 打率.500

ルイス・クルーズ内野手(2014~15年・ロッテ、16~17年・巨人)
3試合 9打数 2安打 0本塁打 3打点 打率.222

 最も活躍が目立った国と言っていいだろう。レアード、アマダーはそろってアーチを描き、レアードはおなじみの“スシポーズ”を披露。メンドーサも最終戦ベネズエラ戦のマウンドを託され、4回2失点の粘投で勝ち投手となった。一方、クルーズは初戦のイタリア戦の9回に痛恨のエラーを喫し、チームも4点差を逆転サヨナラ負け。失点率の差で1次R敗退に泣き、結果的にあの1アウトが取れていれば、突破の可能性が生まれただけに、悔やまれるプレーとなった。

【イタリア】(D組3位=1次ラウンド敗退)

アレックス・マエストリ投手(2012~15年・オリックス)
1試合 0勝0敗0S 3回1/3 1奪三振 2失点 防2.70

 初戦のメキシコ戦で9回4点差逆転のサヨナラ勝ちを飾ったイタリアに貢献したのがマエストリだ。開幕投手を任され、3回1/3を2失点。勝ち負けこそつかなかったが、粘り強い投球でメキシコに食らいつき、金星の機運を呼び込んだ。

 こうして見ると多くのNPBの新旧助っ人がWBCの舞台に立っている。もちろん、オランダのバレンティン(ヤクルト)ら、世界一の可能性を残した選手もいる。決勝まで、あとわずか。すでに去っていったNPB助っ人たちの分まで、活躍を願いたい。

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