地域防災 女性の力を 平塚で講座、救護法学ぶ

 地域の実情に詳しい家庭にいる女性を対象にした「女性防災コミュニティー講座」が、平塚市役所で開催された。災害に対する知識や技術の実践的な研修を進め、地域防災力向上につなげる市主催の取り組み。市内の約60人が参加し、身近なものを使った救出や救護方法を学んだ。

 今回は「災害時を生き抜くための実践型講座」をテーマに、女性防災クラブ「平塚パワーズ」(木村美江子会長)が協力。腕から出血した負傷者の患部に手ぬぐいやタオルを当て、固定に用いたガムテープの表面に止血時間や血液型などを記載、レジ袋を加工した三角巾で固定する一連の作業を披露した。

 市災害対策課は、倒壊した家の中に人が取り残されている場面を設定し、車のジャッキを使った救出方法や毛布を使った搬出を紹介。作業に集中して周囲の危険な状況が見えなくなることもあるとし、別の女性が作業中に緊急地震速報などを伝えたり、被災者を励ます役割などの重要性を説明した。

 パワーズの応急処置を実践した参加者は「目からうろこ。タオルなどは身近にあるのでみんなに伝えたい」。木村会長は「体験できてよかった、との声を多くもらえた。防災に強いまちへ、これからも発信していきたい」と話した。

© 株式会社神奈川新聞社