泉州電業がアグリ事業参入、ヒーターでハウスの省エネ提案

独立系電線総合商社泉州電業(本社・大阪府吹田市、社長・西村元秀氏)は、アグリ(農業)事業に初参入する。ステンレス薄膜に特殊な含浸処理をした新発熱体「アビル(ABIL)ヒーター」(特許申請中)が土を暖める画期的な商品を用い、農業ハウス向けに省エネを提案していく。

 一般的に使われているビニールハウスは、太陽の熱を効率的に集め、外気を遮断することで一定の温度を保つ。保温・加温のため暖房設備を併設しているケースも多い。

 新開発のアビルヒーターは、幅広い温度域で安定的に使用できる農業用ヒーター。非常に効率よく発熱するのが特徴で、1本当たりの消費電力は48ボルト時で約53ワット。「60坪(約200平方メートル)のハウスで作物200株」の条件を想定した場合、ヒーターは33本使用しても合計1749ワット(1272ワット+477ワット空中加熱用含む)で済む。温度調整はコントローラーの設置で可能。

 同条件でアビルヒーターと一般燃焼式ビニールハウスの費用を比較すれば、一般燃焼式の初期投資は150万円・年間ランニングコスト84万円に対し、アビルヒーターはそれぞれ90万円(約40%減)・33万円(約60%減)とコスト削減効果が見込まれる。

 「アビルヒーターは土を直接暖める新発想のアグリ商品で、これを契機にアグリ事業に初参入する。電線はベトナムで製造、フィリピンの海外子会社で加工し日本で販売する」(西村社長)。

 泉州電業は4月5~7日にインテックス大阪で開催される西日本最大の農業展「第1回関西農業ワールド」に出展(ブース番号4―12)、アビルヒーターをPRする予定。

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