米国で侍・千賀のMLB挑戦“待望論”!? 筒香にも「複数球団が興味示すだろう」

野球日本代表「侍ジャパン」は、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で2大会連続のベスト4に終わった。開幕から6戦全勝で挑んだ準決勝では米国に1-2で惜敗。2大会ぶりの世界一には届かなかったものの、小久保裕紀監督率いる日本は激戦の連続でインパクトを残し、随所で輝きを見せた。米スポーツサイト「ブリーチャーズ・レポート」は、今回のWBCで活躍を見せた「メジャーリーグに注目されてこなかった選手たち」を特集。侍ジャパンからも2選手が選出されている。

侍ジャパン・千賀滉大【写真:Getty Images】

米サイト特集の「WBCで日の目を浴びた」選手に侍から2人が選出

 野球日本代表「侍ジャパン」は、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で2大会連続のベスト4に終わった。開幕から6戦全勝で挑んだ準決勝では米国に1-2で惜敗。2大会ぶりの世界一には届かなかったものの、小久保裕紀監督率いる日本は激戦の連続でインパクトを残し、随所で輝きを見せた。米スポーツサイト「ブリーチャーズ・レポート」は、今回のWBCで活躍を見せた「メジャーリーグに注目されてこなかった選手たち」を特集。侍ジャパンからも2選手が選出されている。

 今回のWBCは、メジャーのスター選手が集結した米国の初優勝という形で幕を閉じた。2大会連続準Vのプエルトリコも、メジャーで実績のあるベテランと若手のスーパースター候補をミックスさせた好チームで、ベスト4に残ったチームではオランダも内野にメジャーのスター選手を揃えた。ただ、オランダではヤクルトの主砲ウラディミール・バレンティン外野手が4番として驚異的な活躍で打線を牽引し、青木宣親外野手(アストロズ)以外は国内組というメンバー構成で臨んだ日本の強さも光った。

 記事では「興味深いことに、今大会ではメジャーリーグに注目されてこなかった選手たちの活躍があった」として、「WBCで日の目を浴びた」プレーヤーの名前を紹介。「覚えておいてほしい。これはMLB中心の見方で書かれている。何人かは他の場所で有名な選手だ。しかし、アメリカにいるカジュアルなファンにとっては違う」と、あくまで米国での“知名度”をもとにした選出であるとの注釈を付け、10人を列挙している。

 日本代表からまず名前が挙がっているのが、チームから唯一のベストナイン選出となった千賀滉大投手だ。米国戦では不運な形で失点し、敗戦投手になったものの、2イニングで4者連続を含む5奪三振をマーク。4試合に登板して1勝1敗、防御率0.82、トップタイの16三振を奪った。

侍から唯一ベストナイン選出の千賀に「彼がポスティングに出されれば…」

 伸びのある直球と落差のあるフォークでメジャーの強打者をねじ伏せる投球はまさに圧巻の一言で、小久保監督も帰国後の会見で「彼は最初は構想的には第2先発、中継ぎとホークスには話していたが、イスラエル戦に投げてもらったこと、奪三振率も含めて、世界に衝撃を与えたというところの選出だったと思います」と称賛していた。

 記事では「コウダイ・センガは日本の投手陣の中で最も優秀な成績を残した。この24歳右腕は11イニングで16奪三振を記録した。 NPB通算275イニングで防御率2.45、316三振を奪ったセンガは90マイル中盤の球を投げる。また、多くの素晴らしい変化球を持つ」と絶賛。そして、「彼がポスティングに出されれば、彼がアメリカの地で投げる姿を2021年まで待つ必要はないだろう」と付け加えている。

 すでに、メジャー挑戦を待ちかまえているかのような論調で、海外FA権取得前のポスティングシステム(入札制度)での渡米を“熱望”。まさに、「世界に衝撃を与えた」右腕は、今大会の投球で一躍、MLB関係者やファンから注目の存在となったようだ。

 さらに、侍の4番も評価を高めた。千賀に続いて名前が挙がっているのは筒香嘉智外野手。勝負強い打撃で日本を牽引した主砲は、いずれもチームトップタイの3本塁打、8打点を記録。打率.320、出塁率.433も好成績で、メジャーで重視されるOPS(出塁率+長打率)はチームトップの1.113というハイレベルな数字だった。

「センガと同様に、彼がポスティングに出されることになれば複数のMLB球団が興味を示すだろう」

 寸評では、このように指摘。日本のパワーヒッターがメジャーでも高く評価されていることを伺わせる論調で、筒香も今大会でメジャー挑戦への可能性を大きく膨らませたと言えそうだ。

NPBからはさらに2選手、バレンティンは「あらゆる意味で新発見」

 また、侍ジャパンのメンバーではないが、NPBでプレーする2人の強打者も“ランクイン”。キューバ代表のアルフレド・デスパイネ外野手(ソフトバンク)は打率.474、3本塁打、6打点と圧巻の打撃を見せた。チームは2次ラウンド3連敗で敗退したものの、主砲は鮮烈な印象を残し、記事では「キューバがオランダ戦によって敗退を喫する前、アルフレド・デスパイネはいくらかのダメージを残していった」と言及している。

 そして、大会を大きく盛り上げたのがヤクルトのバレンティン。オランダの4番は打率.615に加え、4本塁打&12打点で“2冠”の輝いた。外野のベストナインには満場一致で選出。母国のために感情をむき出しにして戦う姿も大きな話題となった。

 寸評では、かつてMLBでプレーしていた大砲について「バレンティンはあらゆる意味で新発見だった」と紹介。NPBからメジャーへの“扉”を開きそうなのは、千賀、筒香だけではないようだ。「ブリーチャーズ・レポート」では、本人がMLB公式サイトの取材に「この大会でプレーして、成功した。もしかしたらメジャーに帰るチャンスも生まれるかもしれない。どうなるか、それは誰にも分からないよ」と話していたことにも触れており、再びMLB球団から注目の存在となったことを伝えている。

 その他の6人は以下の通り。

◯アラン・デサンミゲル(捕手、オーストラリア)

◯エステバン・キロス(二塁手/右翼手、メキシコ)

◯ライアン・ラバーンウェイ(捕手、イスラエル)

◯ジョン・アンドレオリ(右翼手/中翼手、イタリア)

◯ユリスベル・グラシアル(三塁手、キューバ)

◯ジョシュ・ザイド(右腕、イスラエル)

 米国の野球関係者やファンにとって、WBCが「新発見」の場であることは確かなようだ。

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