広島・緒方監督、OP戦11位に表情硬く「レギュラー奪う活躍した選手いない」

26日にマツダスタジアムで行われた広島対ソフトバンクとのオープン戦は1対1の引き分けに終わった。最終戦を引き分けた広島は4勝11敗2分となり、オープン戦を11位で終えた。緒方監督は「今日のような接戦をいかにものにするかが、今シーズンも優勝する条件。オープン戦ではそれができなかった」と表情は硬かった。

広島・緒方孝市監督【写真:荒川祐史】

昨季セ覇者が4勝11敗2分け、WBC組の不在響く「3人を脅かす存在いなかった」

 26日にマツダスタジアムで行われた広島対ソフトバンクとのオープン戦は1対1の引き分けに終わった。最終戦を引き分けた広島は4勝11敗2分となり、オープン戦を11位で終えた。緒方監督は「今日のような接戦をいかにものにするかが、今シーズンも優勝する条件。オープン戦ではそれができなかった」と表情は硬かった。

 WBCに出場した菊池涼介、鈴木誠也、田中広輔の3人が揃ってスタメン出場したが、オープン戦のチーム打率.217の打線は、最後まで不発に終わった。得点は8回に代打で登場したエルドレッドのソロのみで、わずか4安打に封じられた。

 WBC組は鈴木がフル出場したが、田中は3打席、菊池は1打席のみの出場に終わった。安打を放ったのは鈴木だけだったが、指揮官は「今年もこの3人が中心になってチームを引っ張っていく存在。開幕までに、早く時差ボケが取れるように調整してもらいたい」と心配する様子はなかった。

 オープン戦の不振については「ベストなメンバーで戦えたのは今日だけだったけど、それは最初からわかっていたこと」としたが、「新しい選手がいいものを見せてくれたが、レギュラーを奪うような活躍をした選手はいなかった。3人を脅かす存在がいなかった」と残念そうだった。

大瀬良先発、中崎守護神、4番新井の方針も「補強ほとんどしてないので…」

 投手陣では、出遅れていた大瀬良大地が先発し、5回1失点と好投した。緒方監督は「大地は十分な内容で結果を残してくれた。開幕1軍のローテーションに入ってもらうことになると思う」と評価した。

 一方では、9回に登板したストッパーの中崎翔太は、無失点に抑えたが、走者を得点圏に進める苦しい内容だった。指揮官は「あとで話はするが、まずは一番後ろのポジションでスタートしてもらうことになる」と、不動のストッパーとは考えていないことを示唆した。

 4番打者に関しては、「一番いい状態」という新井貴浩でスタートする予定だ。それでも「彼がずっと4番に座るようでは、チームのことを考えるといいことではない。彼にとって変わるような活躍をする選手が出てくることに期待したい」という緒方監督は、「補強もほとんどしていないので、現有戦力のレベルアップをすること。プレーの質を上げていかなければならない」と選手の奮起を期待した。

 リーグ連覇、日本一に向けて、視界良好とはいかないオープン戦となったが開幕に向けて指揮官は「特別なことはしない。やるしかない」と前を向いた。

大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo

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