JFEエンジニアリング、横浜で「廃棄物発電」開始 「臨港パーク」に電力供給

JFEエンジニアリング(社長・大下元氏)は27日、神奈川県横浜市の横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜)が管理する臨港パークへの電力供給を来月から開始すると発表した。パシフィコ横浜が管理する施設や公園で収集された廃棄物を燃料に発電し、臨港パークの電力需要の一部を賄う。電力供給量は年間約30万kWh(一般家庭約100世帯分)の予定。パシフィコ横浜全施設の総廃棄物総量は年間124トン(15年度)で、廃棄物からの発電により契約電力の約12%を賄う。

新サービスのスキーム

 廃棄物は同社100%子会社のJFE環境が収集・運搬し、JFE環境が運営する産業廃棄物処理施設で焼却・発電する。発電した電力をJFEエンジ100%子会社で電力小売事業を展開するアーバンエナジーが買い取り、臨港パークへ供給する。同社では今回のような三者間取引において廃棄物の処理量に応じて電力料金を割引く「創電割(そうでんわり)」を新サービスとして展開する。今回が初適用で、本件では電気代が数%安くなるという。

供給先の臨港パーク

 アーバンエナジーは再生可能エネルギー比率の高い電源を有する新電力会社で、15年度の契約電力受注実績は14万キロワットに及び、17年度は28万キロワットを目標にしている。今回、環境面に特に配慮しているパシフィコ横浜に複合的なスキームが高く評価された。臨港パークは1990年に設立。敷地面積約8万2千平方メートルとみなとみらい地区最大の緑地で、供給された電力は臨港パークの駐車場、パーク内照明、トイレ、駐車場内設備などに使用される。

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