パナソニックの連結子会社、MT映像ディスプレイ(株)が特別清算へ

パナソニック(株)(TSR企業コード:570191092、法人番号: 5120001158218、大阪府門真市)は3月30日開催の取締役会で、連結子会社のMT映像ディスプレイ(株)(TSR企業コード:575163410、法人番号:5120001160108、門真市松生町1-15、設立昭和43年8月、資本金3000万円、馬場英俊社長)を、平成30年11月に特別清算の申請をすることに決めた。
 パナソニックの同社への貸付金は1000億円(29年2月28日現在)。

 昭和43年に設立され、平成15年4月に松下電器産業(株)(現パナソニック)と(株)東芝(TSR企業コード: 350323097、法人番号: 2010401044997、東京都港区)のブラウン管事業の合弁会社として事業をスタート。19年4月に東芝の出資分をパナソニックが取得し、以降は同社の100%子会社となっていた。
 16年3月期の売上高は470億3100万円を計上していた。しかし、液晶パネルとの競争激化でブラウン管需要が減少し、市場価格も大幅に下落。恒常的な赤字体質で、18年3月期に債務超過に転落したため、ブラウン管事業から撤退、補修サービスのみを継続していたが、21年12月で事業活動を停止していた。
 19年11月に公正取引委員会がテレビ用ブラウン管の価格カルテル調査に着手。この間、各国競争当局の調査や民事訴訟への対応を進めてきたが、調査および訴訟終結後の明確な方針を示すため、MT映像ディスプレイに対する調査および訴訟が終結次第、特別清算を実施することを決議した。
 パナソニックはMT映像ディスプレイに対する債権全額を放棄する。
 パナソニックは、28年3月期で関係会社株式評価損残高777億円を計上するとともに、将来の損失見積額につき関係会社事業損失引当金999億円を計上しており、29年3月期の連結決算への影響はないとしている。

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