新日鉄住金やJFEスチールなど高炉メーカー各社と海外の石炭サプライヤーとの間で行われている原料炭の4~6月積み価格交渉は、3月31日までに決着しなかった。交渉は値下げを軸に進められているが、値下げ幅などをめぐり双方の主張には依然開きがあるもようだ。
新日鉄住金などが交渉しているのはコークス主原料の強粘結炭。1~3月積み価格は1トン当たり285ドル。4~6月積み価格は、中国向けのスポット価格の下落などを反映して、大幅値下げとなることが固まっている。ただ、交渉では値下げ幅をめぐり、高炉側とサプライヤー側との隔たりは埋まっていない。
原料炭のスポット価格は現在1トン当たり150ドル台で推移。今年初めの水準に比べ3割強値を下げている。
オーストラリアの原料炭輸出拠点、クイーンズランド州では先週、大型のサイクロン(熱帯低気圧)が上陸。同州の原料炭積み出し港が最長で4日間にわたり操業できなくなるなど原料炭のサプライチェーンにも影響が出た。炭鉱操業への影響は軽微とみられるが、短期的には需給に影響を与える可能性もある。これに伴いスポット価格が週明け後にどう反応するかも注目されそうだ。
3月中に決着しなかったことで、4月以降の船積み分は当面、仮価格(1~3月価格)での扱いとなる。ただ、各社は1~3月契約分の積み残しが一定程度あるとみられ、原料炭調達には影響しない見通しだ。