JFEエンジ、岩手の地熱発電所建設を受注

JFEエンジニアリング(社長・大下元氏)は5日、岩手県で岩手地熱から松尾八幡平地熱発電所(仮称)の地上設備に関するEPC(設計・調達・建設)を受注したと発表した。受注額は非公表。同社では初となる蒸気生産設備から発電設備までの一貫プラント受注で、事業開始の迅速性と経済的合理性を担保できる。同社では今後、発電設備を含む地熱発電所のEPCで年間50億円の受注を目指す方針。

完成予想図

 受注したのは地下から噴出する地熱流体(熱水)から発電に適した蒸気を取り出す蒸気生産設備と蒸気タービン、発電機などを含む地熱発電設備(フラッシュ式、7千キロワット級)のEPCと試運転までの発電所建設で、フルターンキーで請け負った。本プロジェクトは岩手地熱が松尾八幡平地域で計画する地熱開発事業で、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)から出資を受け国内で初めて債務保証対象事業として採択されている。

 従来、地熱発電所では蒸気生産設備と発電設備を別の事業者が建設。同社は66年に運転開始した日本初の商用地熱発電所をはじめ、蒸気生産設備を中心に国内外で多くの実績を重ねており、国内には300キロワット以上の地熱発電所が21カ所あるが、同社はこのうち12カ所で蒸気配管設備などの建設などを行っている。今回、豊富な実績と総合エンジニアリング体制が評価され、一貫プラント受注となった。

© 株式会社鉄鋼新聞社