1軍復帰へ進む杉内俊哉、元G投手コーチが復活予告「先発ローテ入ってくる」

巨人は今シーズンから山口俊投手、森福允彦投手、吉川光夫投手が新加入し、投手層に厚みを増した。先発ローテーションには菅野智之投手、マイコラス投手、田口麗斗投手らが揃うが、2015年に右股関節手術を受けたベテラン左腕・杉内俊哉投手の存在も忘れてはならない。杉内がソフトバンクから巨人へFA移籍した2012年、投手コーチとして指導に当たった川口和久氏は「今年は先発ローテーションに入ってくるのではないか」と、左腕の復活を期待する。

広島・巨人で活躍した川口和久氏【写真:岩本健吾】

2015年に右股関節手術、1軍復帰目指す左腕に川口氏「期待持っていい」

 巨人は今シーズンから山口俊投手、森福允彦投手、吉川光夫投手が新加入し、投手層に厚みを増した。先発ローテーションには菅野智之投手、マイコラス投手、田口麗斗投手らが揃うが、2015年に右股関節手術を受けたベテラン左腕・杉内俊哉投手の存在も忘れてはならない。杉内がソフトバンクから巨人へFA移籍した2012年、投手コーチとして指導に当たった川口和久氏は「今年は先発ローテーションに入ってくるのではないか」と、左腕の復活を期待する。

 杉内は2015年10月に右股関節の手術を受けた。リハビリを経て、昨年7月19日、3軍戦で約1年ぶりに実戦マウンドに復帰。その後は2軍で登板を重ねながら、1軍復帰を目指している。

「杉内には頑張ってほしいですね。彼もFAで巨人に来て、移籍初年度の2012年にはノーヒットノーランも達成し、チームの戦力として活躍しました。彼はとても慎重なのですが、その彼が今、投げている。彼自身も80パーセントくらいの手応えを感じているのではないでしょうか」

 移籍1年目の2012年は12勝4敗と好成績を残した杉内。移籍から3季連続で2桁勝利を飾ったが、勝ち星は1つずつ減っていった。川口氏は当時を振り返り「(移籍)翌年から球威が落ちてきた」と分析する。他球団から巨人へ移籍し、環境の適応に苦労した部分もあったのかもしれない。自身も広島から巨人にFA移籍した川口氏は、そんな杉内に対して「何か悩みがあったら俺に相談しろ」と声を掛けていたという。

2軍戦で力投、「先発陣が欠けてくることがあれば、満を持して入ってくる」

「あまり多くを語らない選手です。移籍して野球環境が変わり、困ったことがあれば相談するように言いました。他球団から移籍してきて、巨人という伝統あるチームで頑張るのは大変です。同じ悩みを経験したことのある者として、力になってあげたいと思いました」

 同じ“移籍組”の苦労を知るからこそ、1軍復帰に向けて邁進する杉内に対する思い入れも強くなるようだ。

 開幕直後の先発ローテーションは菅野、マイコラス、田口、大竹寛、内海哲也、吉川らで形成された。そこに、現在2軍で調整中の山口俊、そして杉内が加われば、巨人が優勝する可能性はさらに高まると分析する。

「杉内がゲームの中でどれくらいのパフォーマンスが出来るか。現状(実戦で)投げられているので、ローテーション入りに期待を持っていいと思います。143試合の長いシーズンの中で、全員(調子が)揃うことはない。準備期間はあると思いますが、暖かくなる5月から6月くらいに、先発陣が欠けてくることがあれば、満を持して入ってくるのではないでしょうか」

 現在は2軍で調整を進めており、ここまでイースタン・リーグで2試合に登板し2勝0敗。11回1/3を投げ、6安打15奪三振3失点、防御率2.38と力投を続けている。

 プロ通算142勝を挙げており、節目の150勝まであと8勝。今季中に1軍マウンドに復帰し、15年7月以来2年ぶりの白星を挙げることができるか。懸命にリハビリを続けるベテラン左腕の復活が期待される。

篠崎有理枝●文 text by Yurie Shinozaki

© 株式会社Creative2