ここまで7回を投げ切った投手はゼロ…DeNA、踏ん張れない先発投手陣に課題

DeNAは7日、中日戦(ナゴヤドーム)に5-7で逆転負けを喫し、最下位の中日に今季初白星を献上。0.5差に肉薄された。

DeNA・クライン【写真:荒川祐史】

最下位中日に今季初白星献上、0.5差に

 DeNAは7日、中日戦(ナゴヤドーム)に5-7で逆転負けを喫し、最下位の中日に今季初白星を献上。0.5差に肉薄された。

 厳しい敗戦だった。先発の新外国人、クラインは5回に味方が5-4に逆転した直後、2死から四球と安打を浴び一、二塁とされると、すでに97球に達していたために交代となった。2番手の田中健が京田を三振に斬ったが、落とし穴は7回にあった。

 6回からイニングをまたいでの投球となった3番手の須田が1死から連続安打で一、二塁として降板。ここでマウンドに上がったのはドラフト8位の進藤。1点リードのピンチ場面というシチュエーションはルーキーには酷だった。ビシエドに中前へのタイムリーで同点とされると、さらに連続四死球で勝ち越しを許す。藤井にも犠飛を浴び、2点ビハインドとなり、逃げ切られた。

 ラミレス監督が描く、「勝利の方程式」は7回パットン、8回三上、9回山崎康。さらに現在は左腕の砂田も好調だ。通常なら盤石リレーで逃げ切りたかったが、パットン、砂田は前日6日に登板し、開幕から6戦目を終えた時点で、ともに4試合に登板。いずれも厳しい場面での投球で消耗が大きく、この日は投げさせることができなかった。5番手に投げた三上は、この日で早くも5試合目だ。

ここまで7回を投げ切った先発投手はゼロ

 まだ開幕したばかりで、長いイニングを投げることは難しいのかもしれないが、ここまでの7試合で7回を投げきった先発投手はいない。最長は7回途中に足を痛めて降板した今永で、先発が6回を投げきったのは今永を含めて3試合だけだ。しかもここまで、中盤以降から試合が大きく動く拮抗した展開が続くだけに、中継ぎ陣は試合に出ていなくてもブルペンで肩を作らなくてはいけない。

「序盤は良い形で試合に入っていくことができましたが、3回にボール先行の投球で苦しくなってしまい、甘く入った球を打たれてしまいました。次回の登板までに、投球の基本である、ボールを低目に集めて、ストライク先行の投球ができるように取り組んでいきたいです。早いイニングでの降板になり、救援陣に申し訳ないです」

 依然として制球難に苦しむクラインは声を絞り出した。開幕前から先発ローテーションには能力の高い選手がそろったと期待値が高かったが、現時点ではその片りんは見えていない。8日の先発は石田。チームの窮地を救うのが、エースの役目だ。

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