4月14日、熊本地震が発生してから1年
◆人的被害・関連死
・2016年4月14日と4月16日、熊本県熊本地方を震源とする震度7の地震が2度発生し、住宅の倒壊や土砂災害により大きな被害をもたらした。熊本県によると、2017年3月31日現在、死者50人、関連死は169人。直接死、関連死、6月に発生した豪雨の土砂崩れによる死者5人、大分県の関連死3人と合わせると合計227人。
・2017年3月28日、熊本県益城町の仮設住宅で60代の男性が亡くなっているのが見つかった。男性は1人暮らしだった。
・2017年4月5日、熊本県によると、みなし仮設に1人暮らしで亡くなった事例が13例あることが明らかになった。
◆健康
・2017年1月20日、熊本地震で被災した熊本市民病院が入院患者の受け入れを再開した。一般病棟の病床数は10床。地震前は544床だった。
・2017年2月25日、熊本市で開催された熊本産婦人科学会学術講演会で、熊本地震後、妊婦に妊婦糖尿病などの症例が増える傾向があったとする中間結果が報告された。車中泊や長期化する避難生活、偏った食事などが原因とみられる。
・2017年2月14日、熊本地震の災害対応にあたり、昨年5月に自殺した阿蘇市役所の50代の男性職員について、地方公務員災害補償基金熊本県支部は、公務災害と認定したことが明らかになった。
◆義援金・支援制度
・2016年5月25日、熊本市は市に寄せられた災害義援金の配分委員会を開き、第1次配分を決めた。その後、4次配分まで決定し、死亡者のいる世帯に102万円、住宅が全壊した世帯に82万円などが配分された。
また、熊本県、日本赤十字社、共同募金会に寄せられた災害義援金も8次配分まで決定し、死亡者のいる世帯に100万円、住宅が全壊した世帯に80万円などが配分された。
・2017年2月15日、熊本県は、義援金の受け付けを2018年3月末まで延長すると発表した。
・2017年2月15日、熊本県と熊本市は、被災者に無償で提供している公営住宅の入居期限を1年から2年に延長すると発表した。
・2017年3月29日、熊本県の蒲島（かばしま）知事は、被災者が入居する仮設住宅について入居期限を延長する考えを明らかにした。入居期間は原則2年に定められているが都道府県知事が判断して国が同意すると1年延長できる。
◆事件・火災・デマ
・2016年4月15日、国民生活センターは、熊本地震発生後、ボランティアを名乗る女性が募金を求めたり、寄附金を求める訪問の相談事例が寄せられていると発表した。同センターは不審な電話はすぐ切り、来訪があっても断るよう注意を呼び掛けた。
・2016年4月28日、熊本県警は、住民が避難中の熊本市中央区のアパートに侵入して物を盗もうとした疑いで、福岡県大牟田市の20代と30代の男2人を逮捕した。16日午前3時50分ごろ、地震で避難した住民がアパートに戻った際に2人を発見、警察官に引き渡した。
・2016年7月4日、熊本地震発生直後の4月16日に大津町の住宅に侵入し鍋を盗んだとして熊本県警は東京都台東区の韓国籍の20代の男と神奈川県小田原市の20代の男を窃盗などの疑いで逮捕した。その後の裁判で、住宅やホテルに侵入して70万円余りを盗んだことが明らかになった。
・2017年1月20日、熊本市は昨年12月に発生した市役所10階での火災で、健康福祉政策課の書類やパソコンが燃え、熊本地震で被害を受けた墓地の相談記録5件が焼失したと発表した。災害時要援護者避難支援制度などの登録申請書も焼失し、市は再申請を呼びかけている。
・2017年3月22日、動物園からライオンが逃げたなどと短文投稿サイト「ツイッター」に投稿し、熊本市動植物園の業務を妨げた疑いで逮捕された神奈川県の20代男性について、熊本地検は起訴猶予処分とした。男性は地震発生後にライオンの画像などと合わせて投稿していた。
・2017年4月8日、熊本県警は、妻を殺害した疑いで熊本市東区の70代男性を逮捕した。男性は妻と2人暮らしで、熊本地震で益城町の自宅に住めなくなり転居していた。男性は介護に疲れたなどと話している。
◆交通
・2016年4月19日、熊本空港は発着する旅客便の運航を再開した。
・2016年4月27日、九州新幹線の熊本～新水俣駅間が運転を再開し、全線再開となった。
・2016年5月9日、大分自動車道の湯布院IC～日出JCT間の通行止が解除され、高速道路の通行止区間が解消した。
・2016年6月2日、熊本空港を発着する国内線が通常通りの便数となった。
・2016年7月4日、運転本数を減らしていた九州新幹線が通常通りの本数となった。
・2016年7月9日、豊肥本線(阿蘇高原線)の阿蘇～豊後荻駅間が運転を再開した。
・2016年7月31日、南阿蘇鉄道の中松～高森駅間が運転を再開した。
・2017年3月4日、九州新幹線の一部区間の徐行運転を解除し、所定速度での運転を再開した。熊本地震の発生後、熊本市から八代市の約14kmで徐行運転を続けていた。また、豊肥本線(阿蘇高原線)では全列車通過となっていた、いこいの村駅への停車を再開した。
◆その他
・2017年3月29日、熊本県と日本野球機構は、2018年のプロ野球オールスターゲームを熊本市の藤崎台県営野球場で開催すると発表した。
◆内閣府｜熊本県熊本地方を震源とする地震に係る被害状況等について
平成28年（2016年）熊本県熊本地方を震源とする地震に係る被害状況等について（平成29年3月14日19：00現在)
http://www.bousai.go.jp/updates/h280414jishin/
◆熊本県｜平成28年熊本地震に関する災害対策本部会議資料
熊本地震等に係る被害状況について【第230報】
http://www.pref.kumamoto.jp/kiji_15459.html
◆大分県｜平成28年（2016年）熊本地震に関する災害情報について
平成28年4月16日以降に発生した地震に伴う災害情報について（第87報）
http://www.pref.oita.jp/site/bosaiportal/280414jisin.html
◆熊本市｜平成28年熊本地震における災害義援金の配分について
https://www.city.kumamoto.jp/hpkiji/pub/detail.aspx?c_id=5&type=top&id=12828
◆熊本県｜平成28年熊本地震義援金の第8次配分について
